地力を引き出す

自(みずか)らを見つめる
いまどんな生き方をしているのか  
そこにどんな課題を見つけたのか   

自らを見つける
いまなりたい自分に巡り合えたのか
そこでどんな人間に成長させたいのか

自らを変える
いまどんな悩みに苦しんでいるのか
そこでどんな弱さと向き合っているのか

自らを鍛える
いまどんな力をつけようとしているのか
そこでどんなことに取り組もうとするのか

自らに挑む
いま成さねばならぬことに集中しているのか
そこでどんな力を試そうとしているのか

自らと生きる
いま誰かを愛(いつく)しんでいるだろうか
そこにどれだけのおもいを傾けているのだろうか

自らが生かされる
いま誰の懐に深く包み込まれているのだろうか
そこでどれだけ支えられているのだろうか

あるとき はたと思い知る
自(おのずか)ら地力をつけたつもりが
すべて 誰かが与えてくれたものだと
地力は
人によって育てられ
人によって引き出される

※みずから(自ら):自分から積極的に行うさま。自分自身で。
※おのずから(自ら):他から力を加えることなくそれ自身の力で、が原義。①物事の成り行きや自然の道理に従って自然にそうなるさま。②いつの間にか。知らず知らずのうちに。

〔2021年3月7日書き下ろし。自分で努力して身につけた地力と思しき力は、どれだけ周りの力を借りたのか、時に強く知らされる〕