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青い手帖

「民生委員は、社会奉仕の精神をもって、常に住民の立場に立って相談に応じ、及び必要な援助を行い、もって社会福祉の増進に努めるものとする」(民生委員法第1条)

3年ごとの改選期
12月 初めて民生委員の辞令をもらった
挨拶の中で 期待とその社会的役割の重要性を説かれた
これから3年 地域の人のお役に立てるよう務めることを自覚する
青い手帖を 手にした
真新しい2020年度の手帖
民生委員のバッジのマークが目に入る

表紙の裏には「民生委員児童委員信条」 
社会福祉の増進
地域社会の実情の把握
相談と自立の援助
地域社会づくり
公正を旨として 人格と識見の向上

ただのおばさんしていた者には
読んだだけでは 何が何だかさっぱりわかりません
社会福祉のことは ちんぷんかんぷん
地域社会の実情把握って 何をどう把握するの
相談と自立の援助 なんとなくわかったようなわからぬような
地域社会づくりって 皆目見当もつきません
人格と識見 おばさんに求められても ただただ沈黙

そして「児童憲章の前文」
児童は 人として尊ばれる
児童は 社会の一員として重んぜられる
児童は よい環境のなかで育てられる

ただのおばさん 児童憲章初めて見ました
社会の一員 という意識はないわね
子どもは扶養されてるだけではない ということなんだ
よい環境か いまの子どもの問題 ここなんだよね

地域で暮らす 子どもも大人も お年寄りも障がい児者も
みんな ここで倖せに暮らしていくために
これから3年 福祉の勉強しっかりせねばなりません
いまは何も知らない おばさんです
いまは頼りにならない おばさんです
いまは困っている おばさんです
「初心者マーク」で スタートします
教えてください 先輩委員
教えてください 地域の皆さん
困りごとから 学びます
困ってる人から 学びます

青い手帖に 記録する
日々の予定と出来事を
1年経ったら 文字で埋まっているのでしょうか
出会いの記録が 記されているのでしょうか 

青い手帖に 記録する
日々の悩みとしんどさは
1年経ったら 少しずつ和らいでいくのでしょうか
出会いの喜びが 記されているのでしょうか

青い手帖は 記録する
人の生きることへの渇望と
人を尊ぶことの気高さを
1年経ったら 少しずつわかっていくのでしょうか
出会ったことがよかったと 言ってもらえたら…どうしましょう 

ただのおばさん 民生委員です
青い手帖を バッグに入れて
今日から 度胸試しの挨拶回り
明るい笑顔で 訪問します
ドキドキしながら ピンポン…押しました 

〔2019年12月9日書き下ろし。12月民生委員児童委員を委嘱され、特に新人はこれから慣れぬ活動にドギマギしながら、地域で奮闘されることでしょう。あたたかく地域で迎えてあげてください〕

地域デビュー

初めて市民の前で 芝居した
メンバーは ここ5年ほど毎年演じていた
10月に入ったばかりの新人だった
始まる前は 励ましの言葉にも緊張の色を隠せなかった
始まると 台詞もさまになっていった
7分間の劇は無事終わり 市民の大きな拍手をもらった
ホッとした
その瞬間 仲間になったと実感した
大事な仕事を やり遂げた安堵感と
これからの仕事へのモチベーションを感じていた
市民の前に デビューした日となった

研修会の翌朝 電話がかかってきた
「担当された方は おられますか」
みんな出払っていて 偶然にも担当者しかいなかった
「私が担当ですが なにかありましたか」
昨日参加した年輩の女性からだった
初めて参加した様子で
3人の地区での活動実践発表
花巻からきた人の地域づくりの発表
地域で頑張っている方たちを知って 元気が出ました
まとめのお話で 背中を優しく押されたように思いました
市民の地域デビューは きっと近いだろう

名前を尋ねても 知らされぬまま電話は切られた
電話を受けた担当は 続けてきた地域づくりの研修会が
たった一本の電話で 救われたおもいがした
いままで こんなことはなかった
何かが 市民の中で静かに動き出している予感がした
市民の地域福祉の実践を 正当に評価し支援する
当たり前のことを 丁寧に続けてきたことは 決して間違えではない
地域で頑張る人たちを 広く紹介しながら 地域の元気を引き出す
地域の問題をテーブルに上げて みんなで出来ることを考える
その方法も いまでは市民に定着してきた
地域での懇談会も サロンの運営も 
少しずつ市民の手に委ねていかなければ
地域の福祉力は 高まらない 強くならない

これからが正念場 
職員も 市民の手で育ててもらいながら 仕事力をつけなければならない
社協は 市民のパートナーとして 共働しなければならない
そこに 地域を耕し暮らしを守る社協の使命感を 再確認した
担当は 市民の地域デビューを誘う 次への構想を思い描く

〔2019年12月8日書き下ろし。鹿角市地域福祉実践研究セミナー後のエピソード。事業は担当者のおもいをカタチにして運営することで、その成果は確実に組織と市民の手中にあることを如実に物語っていた〕

こころ~小さな哲学者たち

こころとは何か?
ともかく 驚きの感性にあふれていた

「いのちに似ている」
どちらも なくてはならないもの
どちらか一つをなくしてしまったら
生きてはいけないよね

「お父さん お母さんからのおもい」
こころは 愛おしく育てた人のおもいから 生まれてきたもの
こころは 二人からのプレゼント
こころを こう表現する力は どこからわきでてきたのだろうか 
ただただ感動

「こころは 自分を生んだ」
こころは 自分を表したもの
だから 自分だけのもの
人は 二度生まれる
一度目は 母親から
二度目は 自らのこころの意思表示から
自己形成に関わる回答 すごいの一言

「こころは 一番大事で 大切で たからもの」
「こころは 世界に一つしかない自分のもの」
「一人ひとりに たったひとつ」
「だれにもつくれない(コピーできない)」
唯一無二の存在
天上天下唯我独尊 
それはいのちとこころがあって
いま ここに 存在する
拙い言葉は 言葉以上に重い意味を持つ

「こころは 感情」
来たぞ ここから一気呵成に攻めていこう
感情ってなぁに?
「思いやること」
「身体の中にあり 動かしてくれるもの」
思いやりは 動かない限り生まれてこない
待ってくれ!
なんだ これは 子ども以上にテンションはマックス
「気持ち」
気持ちって なぁに?
「悲しみや喜び」
喜怒哀楽の感情を言い当てる
「お父さんやお母さんのいろいろな気持ち」
子どもが受け取る 父母からの感情をさしている
「気持ちを動かすこと」

こころを 動かしてくれるもの
こころを 動かすもの
こころは ただあるものではなく 動いて働くもの
それが こころの本質

たたみかけるように まとめに入った
嬉しいとか 悲しいとか 
そういう気持ちにさせるのは
「相手がいる」ということ
相手がいなければ こころは動いてはくれない
相手がいるから 心配したり 安心したり
相手がいるから 一緒に喜んだり 喧嘩したり
相手がいるから ひとりぼっちには 決してならない

だから きみのことを 大切にしてくれる人への やさしさや思いやりは
きみも 大切にしたいと強く思う心から 生まれてくるんだね
思い合って 一緒にしあわせになりたいという 一番大切なこころの働き
それが「まごころ」
それは 自分で育てていくしかないもの
それが よりよく生きようとする力になるんだ
きみのいのちやこころは 大切な人たちといつもつながっているんだよ
だから まごころいっぱいの すてきな人になってください

〔2019年12月7日書き下ろし。いのちとこころを考えた小さな哲学者たちとの愉しき授業。この豊かな感性が貧しくならぬよう親と先生方にお願いするしかありません〕

いのち~小さな哲学者たち

12月6日朝 鹿角市尾去沢小学校にいた
1年生から3年生
40人ほどの 子どもたちが待っていた

竹取物語のかぐや姫は 宇宙人だった
初っぱなから 驚く子どもたち
月に帰ったお姫さま 人間が恋しくて
宇宙船で迎えに行った
亀の形の宇宙船 乗ってしまった浦島さん
待っていたのは かぐや姫から名前を変えた乙姫さま
ここまで来ると テンションはどんどん上がる
浦島さん 地球に帰ると言ったなら
持たされました 開けちゃいけない玉手箱
そんなお土産 みんなはほしい?
浦島さん 戻って開けたら 煙モクモクおじいちゃん
なんでこんな悲しい目に あわなきゃいけないの
こんなひどい目にあった オレの人生返してよ!
そんな意地悪 なんで乙姫さまはしたのだろうか?
答えは求めず 宿題にしておいた
授業の導入 終わります
子どもたちは ノリノリ
次はどんなお話になるのか 興味津々
いい顔つきに どんどん変わっていきました 

みんなは 宇宙人?
大きな声で に・ん・げ・ん
口々に 子どもらは答えます
このタイミングで 約束ひとつ
ねぇ一度にしゃべっても 誰がなにを言ってんのか わからない
言いたいことあったら 先に静かに立ってください
元気な返事が 返ってきます

いま ここに いるって どうして?
えっ 困惑した表情の子どもたち
真顔に変わった この一瞬 
それを見るのは 実に嬉しい
「いま」は すぐに昔になったよ
「これから」が すぐにいまになったよ
不思議だね 時計は逆戻りできません
その いまを ここにいるって どうして?

立ち上がった2年生 一人二人と増えていく
さあ 頑張って立ち上がれ 子どもたち
じゃ 前の子から 発表してもらおう
「生きてるから」
そうだよね 同じ時間に生きてるから こうしてここにいるんだね
「生まれてきたから」
そうだよね きみがこの世に生まれてこない限り ここにはいないね
「立たされているから」
えっ そっか 立たされているここ きみはいまここに立っているんだね
「お父さんお母さんに 育てられたから」
うん たしかに誰かに育てられて成長したから ここにいるんだね

「ご先祖様がいたから」
おっと ご先祖様ってなあに?
「じいちゃんやばあちゃん」
「もっと昔の人」
それがどうしたの?
「その人たちがいないと いまここにいない」
鋭い! 
1年生が ポカンとしてる
だから ちょっと説明しとこうね
黒板に 目の前の女の子の名前を書く
この子が生まれてくるには お父さんお母さんが いないといけないね
お父さんが生まれてくるには おじいちゃんおばあちゃんが いないといけないねと
「いのちの樹形図」 
母を○印 父を△印にして 黒板一杯に描いていく
どんどん時代をさかのぼり たくさんのご先祖様がいなければ
いまこの子は ここには いないねと訴える
書かれた母の印のご先祖様が もしいなかったら
次の人は 生まれてこない
次の人もと どんどん新しい時代のご先祖様を消してゆく
この子のお母さんが生まれてこなかったら この子はいまここに い・な・い 
これが「いのちのバトンタッチ」なんだ
いまいのちがあって ここにいるということは
いのちのバトンを お父さんやお母さんが 君に手渡したからなんだよ  

「いのちは こころがある」
思いっきり 今日の授業のど真ん中 
こんな展開 いままでなかった
あなどれない 小さな哲学者たち
授業は がっつり生ものです
こころ踊る真剣勝負 続きます

〔2019年12月7日書き下ろし。小さな小学校の福祉の授業。いのちとこころを考えた小さな哲学者たちとの愉しき授業は続きます〕

鹿角レポート

12月5日15時25分
「さんばーず」の公演は 役者の巧みな演技で
見事に 問題の核心に迫った

地域のキーマンの母ちゃんが倒れた
安心させるためにどうするの?
母ちゃんが どんな人をお世話をしたのか
対象は 特定しなかった
ひとり暮らし 老夫婦世帯 障がい者 などなど
暮らしに 困難性を抱えている人たちを想像しながら
参加者それぞれが 対策を考える
100人が12のグループに分かれ
15分しかない制限時間の中で
グループワークが始まった
たくさんの意見が交差する

母ちゃんが 誰にどんなことをしてきたのか
まず書き出してみようよ
その上で 一人ひとり できることしかやれないね 
一人で負担したら また無理することになるから
できることと できないことを 区別して
みんなで それぞれ出来ることを分け合おう
出来ないことは
行政や社協さん 地域包括支援センターに
相談するのも大事だね

ピンチはチャンス
母ちゃんが どれだけ地域に尽くしてきたのか
いままで 母ちゃんに任せることで 逃げてきた
困ったことや 困った人のお節介
そのありがたさを 改めて確かめた
いずれ自分も行く道ならば 
地域のために 人肌を脱ごうと 
引き継ぐことを決めた私たち
どんなふうに 困っている人と関わるのか 
学んでいかねばなりません

母ちゃんが 元気になったら
あなたの出番です
あなたが知ってる 福祉のこと 教えてください
あなたがしてきた たくさんの支えの仕方 教えてください
あなたが大事にしてきた 人との関わり方や添い方 教えてください
あなたが心配しないで済むように 私たちをサポートしてください
あなたは 地域の相談窓口
あなたは 私たちの福祉の先生
あなたは お節介の指南役
自信を持って 関わっていけるまで 
あなたの知恵が 必要です

地域の暮らしの困りごと
そのまま ほっておくことできません
困っている人や困りごとのひとつでも
解決すれば 地域の励みになります
自分たちでもできると 元気が出ます
ここでこれからも暮らしていけると 安心できます
だから困っている人と一緒に ここで暮らしていけるよう
みんなで知恵を出し合って 出来ることから 始めます

お母ちゃんのおもいを 覚悟に変えて
一人の一歩は 小さくとも 
みんなの一歩は 大きな一歩です

〔2019年12月5日書き下ろし。秋田県鹿角市(かづのし)で開催された「地域福祉実践研究セミナー」での、昨日アップした寸劇からグループワークとまとめをレポート。このセミナーでの3地区の実践発表、やるしかないと覚悟を決めたところは元気がありました〕

世話焼き母ちゃん倒れた!

ナレーション
地域のお世話焼きの名物母ちゃんが倒れたってニュースが、NHKニュースよりも早く速報で流れた。てんやわんやの大騒ぎ。なんせ地域の福祉は、母ちゃんの双肩にかかっていて、一手に担っていた人であり、地域のリーダーだった。

(心配して、情報通の令子の家に和子、一乃の二人がやってきた)

和子 「聞いだが」
一乃 「いやー、心配ぺいだー」
令子 「井原のばっちゃんの病院に付き添いさ、いったども。
待ってる間に何だか頭が急に痛ぐなって、倒れたど。
そばさいた人が、すぐに看護婦さんどご呼んで、緊急処置して、助かったど」
和子 「ほいだばいがった、いがった。それでなして倒れだ?」
一乃 「あだったど?」
令子 「いや、くも膜下出血だど」
一乃 「えで倒れたら、そんどだったな」
和子 「本当に助かったって聞いて、えがったと思った」
一乃 「えがった、えがった」
和子 「私なんか、なんぼか世話になったか」
令子 「あの母ちゃんに、世話になっていね人、誰もいね」
一乃 「どんだけ世話になったか、倒れられると身にしみるな」
和子 「この際、ゆっくり養生してもらわねばねーな」
令子 「そうしゃべっても、心配性の母ちゃんだから、寝て気が気でねべな」
一乃 「じゃ、安心してもらうには、どうしたらいいべな」
令子 「母ちゃん一人に責任かぶせて、甘え放しになってだ、今となっては反省しねばねーな」
和子 「ほんとにほんだな。隣のばっちゃんだって、いままで母ちゃんが行って世話焼いていだから、安心してたけど」
令子 「けつは軽いし、口はかだいし。だから任せられるって、よくしゃべってだ」
一乃 「いろいろ聞けば聞くほど、パワフル母ちゃんだ。だれもその役目、代われねな」
和子 「そこなんだよ。誰も代わりがいないと思うと、母ちゃん気がかりで寝てもいられね」
令子 「ゆっくり養生してもらうには、どうしたらいいべ?」

(三人は、悩み始めました。話はなかなか前には進まないようです)

ナレーション
さてお世話焼きの母ちゃん、病院のベッドでゆっくり養生をしてもらいたいと、三人は知恵を絞ります。皆さんなら、母ちゃんが地域に戻ってきても、今までのように母ちゃんを頼らずに暮らしていくにはどうしたらいいのか、教えてください。

〔2019年12月5日上演。秋田県鹿角市地域福祉実践研究セミナーで、劇団「さんばーず」が演じます。5~6年前から、地域福祉懇談会やセミナーなどで課題提起の寸劇を鹿角弁でコミカルに演じる「さんばーず」は最高です。年に一度の公演、開演間近です〕

小坂レポート

小坂町交流センター・セパーム
社協主催の研修会 
小坂の子らの子育て・子育ちをどう地域で支えるのか
町から委託された「こどもの未来応援事業」
町として初めての試みだ

教育委員会教育長 指導主事
統合小中一貫校の校長 町議会議員
役場の保健センターの若い保健師
民生児童委員
放課後学童保育担当者
自治会や社協の役員
一般町民
いろいろな立場の人が 40人集まった

人口五千人の町で 子どもの数は560人ほど 比率11%
地域に 子どもを見かけることも ままならなくなった 
子ども会も 片手に余る数の地区もある
シングルマザーは 人口比からして 高いのだ
経済的な問題を抱えているのは どこのまちも同じで
子どもの様子も なかなか見えにくい
親も子どもも 問題を抱えて生きている

今日は わがまちの子育て・子育ちを みんなで語る広場になった
社協から 子ども以上に保護者支援の必要性に論点を置いた端的な事業説明
「心の距離感」の寸劇で 相談できずに困っている親の実態 披露する
詩「めんこいしょ」を朗読後 グループワーク
劇中で問題になったことを 6つのグループで意見交換開始
30分後 カフェテラス方式で グループ解体
新グループで 各グループでの協議の中身の交流
そこでまた 私は私たちは何が出来るのかを意見交換
解決策は すぐには見つからない
それでも ここがみんなで子どものことを考える出発点
一人ひとりが参加した熱心な討議 率直に意見が交換される 
談笑しながら 生まれたあったかい雰囲気の中
時の経つのを忘れた

子どもに会えば ともかく挨拶
返されなくても 何度もすれば顔見知り
根気負けして子どもが返す挨拶に ほっこりします
スーパーで見かけた子どもと交わす挨拶
不審がる親に 知らせることで
親も挨拶する仲に なることだってあるでしょう

学校の学習発表会
体育館は 子どもの親族縁者で埋まります 
子どもの成長や頑張りを 親に会ったら伝えます
子を褒められて 気分がいいのが親心
若い母親に だっこされた赤ちゃんを
かわいいといって そばに寄っていくだけで
心の距離感 縮まりませんか

見知らぬ者同士がつながるキーマン 子どもです
子どもが かわいいだけなので 
構えることなく 声かけて 親とつながる子育て支援
相談口で待ってるだけでは 埒(らち)明かず
もっと地域の手を借りて 行政も学校も社協も動きましょう
子どもに 親に 声がけすることから始めます
見返りなんか 求めません
ただ 関心もってるよ
もし 心配なら話してね いつでも聞いてあげるよ
いつか そうなることを願っています 

校長先生 地域に子どもを出したいと
学童保育の担当者 地域に子どもを出したいと
保健センター 子どものSOSの研修会のご案内
詩「まっすぐなまなざし」でしめて散会
みんなあったかいいい顔して 雪の中帰路につく

小坂のまちの お節介
挨拶は お互いに認め合うことの 確かめ合い
激励は 子育て中の母親に 一人で悩まず声かけて
褒めるのは いいとこ探し 子どもと親のこころに響きます

これからの まちの子育て・子育ちは 
4500人の大人の目と心で
子どもといっしょに 
子どもの笑顔がはじけるまちを 
オール小坂でつくります

今日は スタートラインになりました 

〔2019年12月4日書き下ろし。昨日開催された小坂町の研修会のレポート。ここがオール小坂で取り組むスタートです。20数年関わる町です。これからも応援を続けます〕

心の距離感

ナレーション
子育てには悩みがつきもの。ノウハウ本やスマホで誰も情報は簡単に手に入れられる時代だが、お手本通りに子育てが上手くいった話なんて、聞いたこともない、見たこともない。だから、みんな悩んで親になる。でもそれだけじゃない。地域で子どもを育てていくって、とっても気を遣い、気疲れする。子どもが失敗でもしようなら、あそこの家庭は、あの親はと,心ない人の陰口も聞こえてくる、世間体も気にかかる。でも頑張って子育てしているんだよって、言いたいんだ。そんな悩みを持つ者同士、ラインでつながっていたのです。

(舞台の上に離れて、下手に和子、中央に信子、上手に幸子位置する。三人スマホを片手に文字を打ちながらおしゃべりする)

和子 「いまブルー。学校がら呼び出されたわぁ」
信子 「どしたの?」
幸子 「何があったぁ?」
和子 「子どもが意地悪したって。家でも注意して見てくださいって」
信子 「いじめだって言ってるんだがぁ、先生」
和子 「そうだとはっきりは、言ってねけど…」
幸子 「私もあったや。学校がらの呼び出し」
和子 「どしたらいいのか、わかんないなぁ」
信子 「何が原因だったんだぁ?」
和子 「先生も、子どもが話さねがら、困ってらって」
幸子 「話さね理由って、なんか分かる気する」
和子 「うすうすは、気がついているんだけどな」
信子 「やっぱりそこか。男の子は手出でしまうからなぁ」
和子 「まずは、おごらねで話してみるがな」
信子 「それがいいなぁ」
幸子 「いいね(スタンプ)」

ナレーション
数日後信子からラインがあった。
舞台の三人の立ち位置は、徐々にセンターに近づいてきた。

信子 「ちょっと悩みあってなぁ…」
幸子 「どうしたぁ?」
和子 「何があったがぁ?」
信子 「ちょっと相談事あってなぁ・・・どこさ行けばいいのがなって…」
和子 「役場は?」
信子 「役場がぁ・・・」
幸子 「役場だばまずいんだがぁ?」
信子 「ながなが気が進まねなぁ・・・」
和子 「何となくわがる」  

ナレーション
三人の距離が狭まってくる。もうスマホは手に持ったままで役立たず。

幸子 「ほんと、どしたの?」
信子 「子育ての事どが生活の事でちょっとつらいどごろもあって相談したいんだけどやぁ」
和子 「精神的にしんどい時(どぎ)もあるよなぁ」
信子 「仕事の事(ごど)でもいろいろあってなぁ」
幸子 「ほんとに、役場さ行ってみだらぁ…」
和子 「でもや、行ぐのさ結構勇気いるんだよなぁ」
信子 「出来れば、役場の世話になりたくねって思って、頑張ってきたんだけどなぁ。この  ままだばこれからが大変がなって…、とにがぐ行ぐがなって思うんだけどやぁ」
和子 「なんか役場さ行ぐのに気になる事(ごと)があるんだがぁ?」
幸子 「もしかして、役場の人が知り合いだったり、子どものクラスの親だったりする人も  いるがらがぁ…」                             
和子 「あ~そっか。それだば私もちょっと相談しにぐいし、まして家庭(いえ)のごど色々聞がれて知られるのって、ちょっと無理だもんなぁ」
信子 「世間体もあるしなぁ… まだ頑張れると思い直して、やるしかねがな」
和子 「他さ相談できるどごってないのがなぁ?」
幸子 「社協でもやってるや。もしかしたら役場より敷居は低いと思うけどなぁ」
信子 「社協って、なして知ってるの?」
幸子 「以前近所に社協の役員さんがいて、何でも相談してみれって言われて、一回困った  どぎに助けてもらったごどあるがら」
和子 「社協ってあんましよぐわがらないけど、相談もできるどごなんだなぁ」
信子 「そうなんだぁ… でもや日中仕事してるし、仕事終わってからでも行けるんだべが
ぁ… まず気軽に相談できるところがあれば一番いいんだけどなぁ。明日たまたま   仕事休みだがら行ってみるがな」

ナレーション
スマホは手に持ったまま、三人のおしゃべりは続きます。
役場や学校には、なかなか相談できないこともある様子。心配事をラインでつなげるのではなく、こうして顔と顔を合わせて、直接お話しするのが一番ですね。同じ悩みを持つ者同士、話は尽きません。
社協を含め民生児童委員さん、役場、学校、警察等にも相談しやすい環境が生まれるといいですね。そのためにも地域の人と人がつながらなければ、子育てを応援することは難しいですね。地域で、子育てで悩んでいる方との心の距離をどのように縮めていくのかも、この後ぜひ話題にしてみてください。

〔2019年12月3日上演。秋田県小坂町で「小坂の子の未来を考える研修会」で子育て・子育ちを地域でどのように支援するかをテーマにグループワークした際に、問題提起した寸劇。小坂弁でお楽しみください。演技は完璧。なにせ明治の芝居小屋「康楽館」がある所。役者は揃っています。翻訳は社協柏山茂紀氏。5円玉の銅の産地でもありました〕

日々是好日

一人暮らしです
まだ高齢者には なってません
新聞3日もためていたものなら
ご近所さん ピンポン押して安否確認
戻ってくると どこに行ってたのと 根掘り葉掘り
ただただ 心配しているだけです
決して悪気はありません

一人暮らしです
高齢者に なりつつあります
まだまだ達者です
朝っぱらから 外で砂利を踏む音が聞こえます
のぞいてみると 誰かが草むしり
あわてて出ていくと 
見かねて ついついしてしまったと
決して悪気はありません
ただただ お人好しなのです

一人暮らしです
高齢者に なりました
「いたかい」という間に
上がり込んで 室内チェック
流しに洗い物を見つけるもんなら
だから お節介焼かなきゃいけないの
決して悪気はありません

一人暮らしです
後期高齢者に なりました
毎日大丈夫と 声をかけられています
正直 少しほっといてほしいときも あるのです
いい顔するのに 疲れることも あるのです
来る人 決して悪気はありません
決して悪気のないことは よく知っているのです

支え合いましょう
助け合いましょう
地域に丸投げされても ひるむことなく 頑張る人たち
世間のしがらみ ものともせずに 頑張る人こそ 
地域を支える力です
地域をつくる力です

日々是好日
頑張る人たち 優劣・損得・是非にとらわれず
今日一日を 精一杯生きています
日々是好日
頑張る人たち 喜怒哀楽を受けとめて
今日一日 精一杯生きていきます
日々是好日
頑張る人たち お節介といわれても
今日一日 精一杯尽くします

〔2019年12月2日書き下ろし。地域でいろんな人がいて、世間のしがらみの中で生きている。世間で頑張る人たちに倖せあれと〕

メビウスの帯

男は醒めた頭で メビウスの帯を想像した

5時間は 飲んだろうか
5時間の語らいは 十数年の時空を超えた
ただ 彼の体力の限界を超えていたのかもしれない
互いに気遣いながらも 過ぎゆく時間に身を任せた

周到な段取りをして 札幌に飛んできた
会いたいという強固な意志と 一筋気の行動に
ただただ 驚嘆と感謝 そして平伏するしかない
でも疲弊していた身体は 正直に弱さを見せていた

男は 紙片でつくったテープをひねった
同世代の二人の歩んだ道は 別々だった
交わることは 数度しかなかった
だからいま 互いの道が一本の軌跡になったことは 
奇跡なのだ 

大学をリタイヤしてから ずいぶん経ったある日
突然メールが来た
つてを頼って探し当て コンタクトを求めてきた
去る者追わず 来る者拒まず
男は そうして生きてきた
躊躇なく 受け止めた

男は 輪に人差し指を走らせた
一本になった軌跡を なぞった
この1年 矢継ぎ早に仕掛けてきた
男は 求められるまま ためらうこともなく 書いた
子ども 教育 学校 福祉 政治 などなど
手当たり次第に 思い浮かぶまま 書き綴った
地方紙で連載していたコラムの規制は 全くない
自由な思考と志向 そして嗜好
文字数の制限もなく こころのおもむくままに 書き綴った

彼は いま二人で発信しているこのブログを
共働だと 同席した若い大学人に語った
しかし 男には 一本筋の通ったポリシーはない
それを許容する 彼の熱い懐で 
悠々こころを遊ばせ 甘露を味わう

男は メビウスの帯を机上に置いた
人生の晩期に 至福の時を共有する同伴者の
一日も早いご回復を ただひたすら祈った

〔2019年11月28日書き下ろし。初冬の来札に深い感謝と尊敬を込めて綴る〕