阪野 貢 のすべての投稿

野間晴美「かいらしおすやろ?」

ぐずぐずゆうて 泣かはりまっせ
顔がはじけて 泣き声ではる とおもたとたん
顔を崩して こぼれる涙
かいらしおすやろ

つぶらなお目めと にらめっこ
じーっと顔見て 泣くやろか とおもたとたん
ニコッと まさかのほほえみ返し
かいらしぃなあ

おいないすると ちょっとためろうて
ゆっくり両のてえのばして からだをあずけはった とおもたとたん
やらかい におい立つお顔
かいらしおすやろ

スプーンをもつんやて ごんたゆうて
口のまわりに ぎょうさん散らかさはるわ とおもたとたん
ほれやったったと にたり顔
かいらしぃなあ

ことばにならへん 声だして
指さす方に 目を向かせ
おぼしきおもちゃを さしだそう とおもたとたん
ちゃうちゃうと かぶりをふって ふくれっつら
かいらしおすやろ

素っ裸 湯船で
お湯とほたえて てんごしゃはるとおもたとたん
満面の笑みをうかべる 赤ら顔
かいらしぃなあ

かいらしぃて かいらしぃて
ただただ かいらしぃて
包み込まれる いのちのぬくもり
かいらしぃて かいらしぃて
ただただ おおきにどす
包み込む 二人の深い慈しみ

いのちの限り 共に歩まん

(2021年1月27日。共同研究者の京都華頂短期大学名賀亨先生のご紹介で、華頂短期大学附属幼稚園
教頭野間晴美先生から、ほっこりとする京都弁で『めんこいしょ』の翻訳が届きました。ご鑑賞ください〕

まずは1ヶ月の様子見

緊急事態宣言
全国一斉は無理でしょ
ヤバいところから始めます
さては1ヶ月様子見します

医療現場の清掃業務すらも厳しい最中
その実態すら把握できずに 体制強化を装う
まずはGOTO再開の目処を立てます
1兆円出します しないと誰かさんに叱られる
もう二週間切りました

これだけ手を尽くしたのに
セーブできなかった責任は あんたらでしょ
しっかり守らなきゃ 罰則つくって厳しくします
特権階級は夜の銀座も病院も治外法権 いい気なものです
心優しき民は コロナ疲れの限界超えて
ともかく二週間堪えるしかない

後手後手って 言われ放しの国会論争 
生煮え対策 どうにでもなる
与党は よいしょに専念
支持率下がろうが 老いの一徹 
野党の追撃 かわすだけのこと
いつもの展開 二週間はすぐ過ぎる

感染拡大 収まりつかない
医療体制も逼迫 移動制限も限界
誰もが予想できないこの事態
もとは事前の対策怠った つけ払いだけのこと
2週間では ステージ2に下がる気配全くなし
1ヶ月 先延ばしするしか打つ手なし

ワクチン接種の時期も心許ない
行政改革相河野太郎と官房副長官坂井学でバトルする
世界でも供給遅滞が続く中 契約通りに届く確証薄し
結果は1ヶ月延ばした先に見えてくる

そもそも緊急事態宣言の期間設定に無理がある
不確定要素がありすぎて 様子見しながら
規制強化の法案通し 強権発動準備する
そうでもしないと オリンピックに間に合わない
コロナ対策とオリンピック開催を 天秤にかけて迷走する

この政権の様子見は 
見切りをつける 
潮時は間近か

〔2021年1月26日書き下ろし。国会答弁聞いていて、この国難を乗り切る指導力に不安を強める。総理!総理です!〕

付記
2月末までの「宣言」延長論強まる
政府内で、緊急事態宣言の“延長論”がさらに強まっています。
政府内では、東京などの首都圏に関してオリンピック・パラリンピックを実施するため感染者数が宣言解除の目安よりもさらに減少する必要がある、などの声が一部で出ています。
さらに、26日の新規感染者数が東京など各自治体で軒並み前日を大幅に上回ったことから、菅総理周辺も「このままでは解除は難しい」などとして延長する可能性を示唆しています。政府は、今週いっぱい感染者数や医療提供体制のひっ迫度合いなどの推移を見極めたうえで、来週早々にも判断する見通しですが、延長した場合の幅については少なくとも2月末まで、との見方が有力視されています。(TBS系(JNN)2021年1月27日)

尾身氏、情報共有に不満 コロナ対応で課題3点提示
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は26日の衆院予算委員会に参考人として出席し、これまでのコロナ対応に関し不満を示した。政府と地方自治体の間で感染状況に関する迅速な情報共有ができず「最もフラストレーションを感じた」と表明。国民への情報発信、責任と権限の一元化と合わせた3点が改善すべき課題だと訴えた。
緊急事態宣言再発令中を理由に「過去を振り返る余裕はない」と断った上で発言。情報発信については、「コロナ疲れ」で国民の理解が得られにくくなったと指摘。感染が落ち着いた昨夏の段階で「医療提供体制や保健所機能の強化をしておけばよかった」と述べた。
(共同通信2021年1月26日)

阪野 貢/「人新世」における「変革への途」について考えるために―斎藤幸平著『人新世の「資本論」』のワンポイントメモ―

〇あまりにも難解で、いまだに積読(つんどく)を続けている本にカール・マルクスの『資本論』がある。筆者(阪野)がそれを読もうと思ったきっかけは、当時、社会福祉(社会事業)を学ぶ学生の必読書であった孝橋正一の『全訂・社会事業の基本問題』(ミネルヴァ書房、1962年5月)に挑戦していたときであったと記憶している。孝橋の「社会事業とは、資本主義制度の構造的必然の所産である社会的問題」を対象にする、という一節である。(その後、筆者は、マルクス経済学者宇野弘蔵の「原理論」「段階論」「現状分析」のいわゆる三段階論にハマった時期があった。今は昔である。)
〇「資本論」という言葉が本のタイトルにあるだけで積読になっていた本がいま、筆者の手もとにある。斎藤幸平(さいとう・こうへい)の『人新世の「資本論」』(講談社新書、2020年9月。以下[本書])がそれである。今回は、「資本論」という言葉に対するアレルギー反応が起きる前に、一気に通読することができた。それは、現代に生きる者(ヒト)として、地球を破壊するほどに進んでいる「気候変動」やその影響に関心をもたざるを得ないことによる。とともに、「気候危機」とも言われるその原因の資本主義を丁寧に解き明かし、鋭く批判し、それゆえに刺激的である斎藤の議論・主張による。とりわけ、『資本論』第1巻の刊行後に「マルクスが取り組んでいたのはエコロジー研究と共同体研究」(179ページ)であった。晩年のマルクスは、「資本主義がもたらす近代化が、最終的には人類の解放をもたらす」という「進歩史観」(史的唯物論)と決別した(152ページ)。マルクスがめざした「コミュニズムとは、平等で持続可能な脱成長型経済(定常型経済)」(195ページ)であったという、斎藤による、マルクスの再解釈・再発見(「マルクスの復権」「マルクス理解の理論的大転換」)によるところが大きい。
〇本書のタイトルの「人新世」(ひとしんせい)とは、斎藤によると、「人類の経済活動が地球に与えた影響があまりに大きいため、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェンは、地質学的に見て、地球は新たな年代に突入したと言い、それを『人新世』(Anthropocene)と名付けた。人間たちの活動の痕跡(こんせき)が、地球の表面を覆いつくした年代という意味である」(4ページ)。現在の地球の環境危機は、人(ヒト)の経済活動すなわち資本主義それ自体がもたらしたものであり、地球は新たな地質時代に突入した、というのである。
〇斎藤は本書で、環境危機を乗り越えようとする多様な主義・主張や運動に言及し、その問題点や限界を抉(えぐ)り出す。自然エネルギーや気候変動対策への公共投資によって、新たな雇用や経済成長を生み出そうとする「グリーン・ニューディール」(気候ケインズ主義)や、ロボットや人口知能(AI)の技術革新を加速させれば、持続可能な経済成長が可能になると主張する「加速主義」などについてである。それとともに、斎藤は、「マルクスが求めていたのは、無限の経済成長ではなく、大地=地球を<コモン>として持続可能に管理することであった」(190ページ)という。そして、気候変動問題の解決策として「脱成長コミュニズム」を提唱する。それは、資本主義の転換を迫る、資本主義でも社会主義でもない平等で持続可能な「社会像」である(コミュニズムは一般的には共産主義と訳される)。

〇本書から、<コモン>(共有資源)や「脱成長コミュニズム」に関する斎藤の言説について、筆者が留意したい一文をメモっておくことにする(抜き書きと要約。見出しは筆者)。

いま求められる脱成長型のポスト資本主義
資本主義は、利潤を増やすための経済成長をけっして止めることはない。/資本は、(経済成長のための)手段を選ばない。気候変動などの環境危機が深刻化することさえも、資本主義にとっては利潤獲得のチャンスになる。山火事が増えれば、火災保険が売れる。バッタが増えれば、農薬が売れる。ネガティブ・エミッション・テクノロジー(大気中の二酸化炭素を回収・除去する技術)は、その副作用が地球を蝕(むしば)むとしても、資本にとっての商機となる。いわゆる惨事便乗型資本主義だ。/このように危機が悪化して苦しむ人々が増えても、資本主義は、最後の最後まで、あわゆる状況に適応する強靭(きょうじん)性を発揮しながら、利潤獲得の機会を見出していくだろう。環境危機を前にしても、資本主義は自ら止まりはしない。/だから、このままいけば、資本主義が地球の表面を徹底的に変えてしまい、人類が生きられない環境になってしまう。それが、「人新世」という時代の終着点である。/それゆえ、無限の経済成長をめざす資本主義に、今、ここで本気で対峙しなくてはならない。私たちの手で資本主義を止めなければ、人類の歴史が終わる。(117~118ページ)
環境危機に立ち向かい、経済成長を抑制する唯一の方法は、私たちの手で資本主義を止めて、脱成長型のポスト資本主義(「脱成長コミュニズム」)に向けて大転換することである。(119ページ)

「脱成長コミュニズム」を実現する道としての<コモン>
マルクスは、人々が生産手段を<コモン>(common)として共同で管理・運営するだけでなく、地球をも<コモン>として管理する社会を、コミュニズム(communism)として構想していた。(142~143ページ)
<コモン>とは、社会的に人々に共有され、管理されるべき冨のことを指す。(中略)/<コモン>は、アメリカ型新自由主義とソ連型国有化の両方に対峙する「第3の道」を切り拓く鍵だといっていい。つまり、市場原理主義のように、あらゆるものを商品化するのでもなく、かといって、ソ連型社会主義のようにあらゆるものの国有化をめざすのでもない。第3の道としての<コモン>は、水や電力、住居、医療、教育といったものを公共財として、自分たちで民主主義的に管理することをめざす。(141ページ)
(すなわち、マルクスがそう考えたように)<コモン>の思想は、貨幣や私有財産を増やすことをめざす個人主義的な生産から、将来社会においては「協同的富」を共同で管理する生産に代わることをめざすのである。(201ページ)

「脱成長コミュニズム」を実現するための具体的方策
「脱成長コミュニズム」をどのように実現させるのか、そのためになすべきことは大きく5点にまとめられる。
(1)使用価値経済への転換/生産の目的を商品としての「価値」(儲け)の増大すなわち利潤の獲得ではなく、「使用価値」(有用性。商品やサービスの質)に重きを置いた経済に転換して、大量生産・大量消費から脱却する。別言すれば、生産を社会的な計画のもとに置き、人々の基本的ニーズを満たすことを重視する。
(2)労働時間の短縮/労働時間を削減して、生活の質を向上させる。社会の再生産にとって本当に必要な生産に労働力を意識的に配分し、金儲けのためだけの、意味のない仕事を大幅に減らす。「使用価値」の経済に向けた転換には、労働時間の短縮が根本条件である。
(3)画一的な分業の廃止/画一的な労働をもたらす分業を廃止して、労働の創造性を回復させる。資本主義の分業体制のもとでは、労働は画一的で、単調な作業が多い。労働をより創造的な、自己実現の活動に変えていくためには、多種多様な労働に従事できる生産現場の設計が好ましい。
(4)生産過程の民主化/生産のプロセスの民主化を進めて、経済を減速させる。「使用価値」に重きを置きつつ、労働時間を短縮するために、開放的技術を導入していく。そのためには、一部の経営陣の意向に基づいて非民主的な決定が行われるのではなく、労働者たちが生産における意思決定権を握る必要がある。
(5)エッセンシャル・ワークの重視/使用価値経済に転換し、労働集約型のエッセンシャル・ワーク(生活維持に不可欠な仕事)を重視する。ロボットやAIでは対応しきれない、ケアやコミュニケーションを必要とする介護や看護、保育や教育などの労働がしっかりと評価される必要がある。(300~314ページ)

<コモン>と「社会的共通資本」(宇沢弘文)の違い
(<コモン>に関して、より一般的に馴染みがある概念として、宇沢弘文の「社会的共通資本」がある。)宇沢は、人々が「豊かな社会」で暮らし、繁栄するためには、一定の条件が満たされなくてはならない。そうした条件が、水や土壌のような自然環境、電力や交通機関といった社会的インフラ、教育や医療といった社会制度である。これらを、社会全体にとって共通の財産として、国家のルールや市場的基準に任せずに、社会的に管理・運営していこうと考えたのである。<コモン>の発想も同じだ。/ただし、「社会的共通資本」と比較すると、<コモン>は専門家任せではなく、市民が民主的・水平的に共同管理に参加することを重視する。そして、最終的には、この<コモン>の領域をどんどん拡張していくことで、資本主義の超克(ちょうこく。困難を乗り越えること)をめざすという決定的な違いがある。(141~142ページ)

〇経済成長は確かに、私たちの生活や社会を物質的に豊かにした。それは、資本主義のグローバル化が進むなかで、グローバル・ノース(北の先進国)によるグローバル・サウス(南の発展途上国)からの労働力の搾取や自然資源の収奪のうえに成り立っている。グローバル・ノースの「過剰発展」や大量生産・大量消費のライフスタイル(「帝国的生活様式」)は、グローバル・サウスの人々の劣悪な生活条件に依存している。そしてまた、グローバル・サウスはそのグローバル・ノースに依存せざるを得ない。ここに資本主義の「矛盾」と「悲劇」がある(27~30ページ)。いずれにしろ、資本主義社会は、絶えず「外部性」を作り出し、そこに負担や犠牲を強いる・転嫁することによって発展してきたのである。
〇現代の資本主義は、「不平等を一層拡大させながら、グローバルな環境危機を悪化させてしまう」。資本主義は、豊かさを生み出すシステムではなく、「私たちの生活に欠乏をもたらしている」。「持続可能で公正な社会」を実現するためには、資本主義によって解体させられた、人々が生産手段を自律的・水平的に「自治管理」「共同管理」する<コモン>を再建する必要がある。そのための唯一の選択肢が、マルクスにみる「脱成長コミュニズム」である(258、290、360ページ)。斎藤の、ラディカルな主張である。
〇それを換言すれば、生産手段を<コモン>として社会的に所有し、民主的に管理することによって、経済活動は減退するが、現代の環境危機を乗り越えることはできる。このコミュニズムの萌芽は、「21世紀の環境革命として花開く可能性を秘めている」(323ページ)、となる。ここに本書の核心があり、思考や概念の斬新さをみる。
〇そして、斎藤は、「資本の専制から、この地球という唯一の故郷を守る」ためには、「3.5%」(ハーヴァード大学の政治学者エリカ・チェノウェスらの研究による)の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がることであるという(362、364ページ)。この点は非現実的な楽観論と評されるおそれなしとしないが、社会に大きなインパクトを与えた多くの抗議活動や社会運動は、最初は少人数で始まっている。本稿のタイトルにいう「変革への途」が含意するところでもある。

付記
〇論拠は不明であるが、斎藤の挑発的で小気味よい指摘やフレーズに次のようなものがある。あえて付記しておくことにする。

2015年9月に国連で開かれたサミットによって採択され、各国政府も大企業も推進する「SDGs」(エス・ディー・ジーズ、Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)は、「アリバイ作りのようなものであり、目下の危機から目を背(そむ)けさせる効果しかない。(中略)SDGsまさに現代版『大衆のアヘン』である」(4ページ)。

「高度経済成長の恩恵を受けてあとは逃げ切るだけの団塊世代の人々が、脱成長という『綺麗事(きれいごと)』を吹聴している。(中略)若いころに経済成長の果実を享受しておきながら、一線を退いたそのときから『このままゆっくり日本経済は衰退していけばいい』と言い始めたというわけである(120ページ)。(ちなみに、「平等に、緩(ゆる)やかに貧しくなっていけばいい」という上野千鶴子(うえの・ちずこ)は1948年生まれであり、「本当に豊かな生き方は『ローカル』と『定常経済』にある」という内田樹(うちだ・たつる)は1950年生まれである)。

(「定常型社会」論を展開する広井良典(ひろい・よしのり)や社会経済学者の佐伯啓思(さえき・けいし)によれば)「資本主義的市場経済を維持したまま、資本の成長を止めることができるという」(128~129ページ)。「利潤獲得に駆り立てられた経済成長という資本主義の本質的な特徴をなくそうとしながら、資本主義を維持したいと願うのは、丸い三角を描くようなものである。まさに、真の『空想主義』である。これが旧世代の脱成長論の限界なのだ」(133ページ)。

理念なき教師

相模原市緑区の障がい者施設「津久井やまゆり園」
16年7月26日 入所者ら45人が殺傷された
「税金を障がい者に使うのは無駄。重度障がい者は殺した方が良い。俺は殺せる」
20年3月16日 植松聖被告に 横浜地裁は死刑判決を言い渡した

障がい者差別による凄惨な事件 
判決は 現場の教師にどんな問題と影響を与えたのであろうか
3月コロナで全学休校措置の取られたタイミングで
休校の対応と学年末の多忙さに追いまくられて
猟奇な殺人事件として 瞬時に流されていったのか
我関せず 心動かされることもなかったのか
被告への同意の感情を 押し隠したのか

学校教育は 崇高な仕事を担う資質を要して 
尊敬に足る者としては存在しない
特別な人間 選ばれし人間が 教鞭を取るわけではない
ごく普通の平凡な人間が その役割を託されているだけだ
なかには 勘違いして偉ぶる者もいることはいる
熱心に仕事に励む者も ずぼらな者も当然いる
そつなく仕事をこなし フリータイムを謳歌する者もいる
能力に乏しくとも 子どもに好かれている者もいる
千差万別 一概に教師に資質と人間性は語りきれない
だた 理念に燃え努力する者が救われてほしいとは願う 

理念なき教師の三失態
決してやってはいけないことを
やってしまうのは 罪が深いという
いつも依怙贔屓(えこひいき)して
いたぶるのは 犯罪もどきという
存在を平気で否定することが
わからないのは 教師失格という

教師失格の三態
差別と蔑視感を変えずに齢を重ね 
教壇に立っていることを 欺瞞という  
さもさもらしく非難するポーズをとって
教壇で教えることを 偽善という
人権問題を考えることなくスルーして
教壇で稼ぐことを 強欲という

〔2021年1月24日書き下ろし。教育が関わる社会的な事件から真摯に学べないことは学校と教師の質を劣化させる。校長の指導力も強く問われる〕

付記
「障害者や犯罪者が子供でいたら…」 教員が差別的ツイート 特別支援学校
群馬県西部の特別支援学校に勤務する再任用の60代女性教員が、ツイッターに障害者を差別する内容の投稿をしていたことが明らかになった。
県教育委員会によると、女性教員は昨年10月中旬にアカウントを開設し、「障害者や犯罪者が子供でいたらいない方がまし」「労災にならないように気をつけます。いきなり強くつかんだり殴ったりする障害のある人」などと投稿。複数回ツイートし、学校の取り組みや上司や同僚の実名を出して、批判するなどしたという。学校名が書かれていたことで発覚し、今月中旬、学校が県教委に報告した。女性教員は調査に対し、「日記のような個人記録として書いた。フォロワーがゼロで、誰でも読めるという認識が薄かった」などと認めているという。投稿は県教委の指導で削除した。県教委は「指導する立場の教員が差別的な内容を投稿することは不適切で、あってはならない」とし、今後、女性教員の処分を含めて検討するという。(毎日新聞 2021年1月23日)

ヘッドハンティングの功罪

福祉は人なり
異業種からの人材選択
公募よりも人脈で適任者を探す
一本釣りのヘッドハンティング

福祉は人なり
異業種からの人材登用
福祉の心の短期醸成は難しい
福祉の人となる短期養成は難しい
福祉の経営の短期取得は難しい

福祉は人なり
異業種からの人材養成
現場は何を求めているのかを示し
指導性が発揮される機会を与え
任せられると判断するまで
その人が福祉の人となるよう導く

福祉は人なり
異業種からの人材育成
福祉の理念を学び生かそうと根を張る
利用者の声を聴き取り身に添う
職員に胸襟を開いて人望を得る

福祉は人なり
異業種からの人材活用
マンネリ化し低下した福祉意識を刺激する
前向きに課題を可視化し解決へと協働する
環境改善や組織改革に汗して取り組む
さらに次代を背負う人材を見出し育てる

福祉は人なり
異業種からの人材不適
組織に人材の資質を見極め育てる機能がなければ
利用者尊重の介護の意向は無視される
市場原理に動かされ管理主義に注力する
組織は硬直化し機能は形式化する
不協和音が生まれ信頼関係が崩れ環境が乱れる
理念はアクセサリーとなり福祉は形骸化する 
さらに自己保身に走り自己正当化に腐心する

福祉はカネなり
福祉を儲け主義で運営するところは
福祉へのおもいの是非は問われない
福祉に不適な者も功ありて罪なし
福祉は人なり
福祉を人間主義で運営するところは
福祉へのおもいの是非が問われる
福祉に適切な者は功ありて罪なし

〔2021年1月24日書き下ろし。福祉施設の経営者はプロパーの昇任と外部からの登用がある。外部登用の是非を一度振り返ってみてはいかがでしょう〕

銀の涙は舞う

少女は 厳寒の空に舞った
銀の涙は 風に巻かれて雪と散る
銀の涙が 綿毛のように大地を覆う

少女は 澄んだ空に染まった 
銀の涙は 藍色に染まらず雪と散る
銀の涙が 風花(かざばな)のように心を飾る

少女は 心のままに自由に舞った
銀の涙は 涸れることなく雪と散る
銀の涙が 命の滴(しずく)のように地上に降る 

少女は 一瞬光を放って空を駆けた
銀の涙は 光を浴びて雪と散る
銀の涙は 虹のように天上に輝く

少女の悲嘆と慟哭は
銀の涙となり 邪悪な世界を叩く
少女の絶望と恐怖は
銀の涙となり 無慈悲な世界に満ちる
少女の希望と夢は
銀の涙となり 心ある世界に舞う

〔2021年1月23日書き下ろし。自死した子どもへの鎮魂歌を捧げたい〕

小中高生440人自死する

令和2年1月から11月までに 
2万919人が自死した

アイヌ文化を復興するための空間と施設
ウポポイ(民族共生象徴空間)のある町
白老町の人口は1万6353人
ひとつのまちが消えてしまう人が 自死した

道内で一番小さな音威子府(おといねっぷ)村
人口699人
村の3分の2の人口に当たる
440人の小中高校生の子らが 自死した
うち307人は高校生
残る133人が小中学生だった

子どもが死に神に取り憑かれているときに
そのサインはあったのだろうか
そのサインに気づかなかったのだろうか
そのサインを見逃していたのだろうか
それともサインそのものが 
分からなかったかもしれない

親も教師も友だちも
子どもが深い悩みの果てに逝ったことを 悔やみ続ける
表情や言葉の変化に気づかなかった
何か言いたげなそぶりに声をかけられなかった
心に刺さったトゲを抜いてあげられなかった
悩みを理解し得なかった
苦しみを分かち合えなかった
憤りを引き受けてあげられなかった
自傷に気づかなかった
見守りが突き放しと受けとめられた

なぜ死を選んだのか
死への誘惑を拒めず追い込まれた
その恐怖に戦慄を覚える
紡げなかった信頼
救えなかった悔恨
探りきれない因果

ナイーブな心の深淵を覗(のぞ)くことはできなくても
その子の頑なな心をほどくには 静かに語り合うしかない
その子の悩みを そばで聞いてあげるしかない
その子をかけがえのない存在だと 認め合うことしかない

自死へと追い詰めた後悔の先にあること
自死のサインを感じとるには
子どもと向き合い語り合う関係づくりしかない
異変を感じる心のアンテナを磨き続けるしかない
そして守り抜くという強い意思を表明することだ

自死した子ども一人ひとりの冥福を祈りつつ
弱き者を自死へと追い詰めた歪(いびつ)な社会への
声なき警鐘として 受けとめよう
蔑(ないがし)ろにされた人がつながる力を取り戻す
声なき願いとして 受けとめよう

※白老町と音威子府村の人口は令和2年12月末現在です。

〔2021年1月23日書き下ろし。自死に追い詰められ恐怖にただおののく。想像するだけで痛い!身近にいることを忘れてはならない〕

付記
自殺、11年ぶり増 女性大幅増・小中高生過去最多 昨年、速報値
2020年は自殺者数が11年ぶりに増え、2万919人(速報値)だったと22日、厚生労働省が発表した。女性が6976人で前年より885人(14・5%)増加。若い世代の増加も目立ち、小中高生は1~11月だけで440人(前年同期比18・3%増)と、過去最多だった1986年の年間合計を上回った。厚労省は新型コロナウイルスによる生活の変化などが背景にある可能性があるとみている。
警察庁の統計をもとにした厚労省の発表によると、男性は1万3943人(前年比135人減)。女性と合わせて前年より750人(3・7%)増えた。人口10万人あたりの自殺者数は16・6人。例年、3月発表の「確定値」ではさらに増える傾向にある。
…厚労省の担当者は、コロナ禍による経済的な影響や生活環境の変化、学校の休校、外出自粛などが影響した可能性があるとして「厳しい状況だ。女性は幅広い年代、職業、原因・動機で増加しており、悩みに応じて支援していきたい」と話す。
…小中高校生の自殺者のうち307人が高校生で、初めて300人を上回った。女子児童・生徒の自殺者は前年同期より48・8%増えた。(朝日新聞2021年1月23日)

夜明け前の闇をつく光に

ジョー・バイデン新大統領
「民主主義が勝利した」
「団結こそが未来への道だ。一つになった時、われわれは決してしくじらない」
「尊厳と敬意をもって互いに向き合い、感情を静めよう。事実がねじ曲げられ、時にでっち上げられる文化を否定せねばならない」
「国民と米国の結束に全霊をささげる」
「アメリカの物語を書き進めよう。恐怖ではなく希望を。分断ではなく団結を。闇ではなく光を」
「私は正直さと良識を望む。国民に接するように、お互い接してほしい。国民は我々のために働いているのではない。我々が国民のために働いていることを忘れないでほしい」

就任式で22歳の詩人アマンダ・ゴーマンが朗読した「The Hill We Climb」から
《国は壊れてはいない。ただ、未完なだけだ》
《未来を最優先に、亀裂を閉じる》
《慈悲と威力、威力と正義を一つにすれば、愛が私たちのレガシーとなる》
《光は常にある。それを見つめるだけの勇気さえあれば。光になるという勇気さえあれば》

副大統領カマラ・ハリスの初めての発言
「私たちは大胆かつ勇敢で野心的です。信念は曲げない」

元大統領バラク・オバマ氏のバイデン氏に向けたメッセージ
「賛成する人の話を聞くだけでなく、賛成しない人の話も聞くべきだ」

ドナルド・トランプの退任直前のメッセージ
「何らかの形でまた戻ってくる」

何をか語らん 
夜明け前の闇をつく光も弱く
大義貧しき日本の政治論争
民主主義は 未完のまま形骸化していく

〔2021年1月21日書き下ろし。米大統領就任式に関連した報道から抜粋し記録する。菅首相の所信演説は、バイデン大統領の就任演説を参考にすべきだった〕

付記
バイデン米大統領の就任演説要旨
バイデン米大統領が20日に行った就任演説の要旨は次の通り。
一、きょうは民主主義の日だ。民主主義は貴重で壊れやすいことを改めて学んだが、民主主義は勝利した。
一、暴力が議会の礎を揺るがそうとしたこの神聖な場所に一つの国として集まり、2世紀以上続く平和的な政権移行を実行した。
一、米国史上、今ほど試練に直面した時はない。100年に1度のウイルスが第2次大戦時よりも多くの命を奪い、雇用は失われた。人種差別や環境問題、国内テロにも打ち勝たねばならない。
一、これらの課題を克服するには、民主主義において最も捉えどころのないものが要求されている。それは団結だ。
一、国民と国家の団結に全霊をささげる。
一、最近では団結を口にすると、ばかげたおとぎ話のように聞こえるかもしれない。分断の力は深く、現実に存在するが、それは目新しいものではない。
一、団結こそが未来への道だ。一つになった時、われわれは決してしくじらない。
一、尊厳と敬意をもって互いに向き合い、感情を静めよう。事実がねじ曲げられ、時にでっち上げられる文化を否定せねばならない。
一、暴徒らが暴力を用いて民主主義の行為を妨害しようとしたが、実現しなかった。きょうもあすも、永遠に実現することはない。
一、私は全国民のための大統領になる。
一、赤と青、地方と都市部、保守主義とリベラルが戦うこの野蛮な戦争を終わらせねばならない。
一、この暗い冬を乗り切るには全ての力が必要だ。政治を脇に置き、パンデミックに一つの国家として立ち向かう。われわれは共にこれを乗り越える。
一、世界が米国を注視している。同盟関係を修復し、世界に再び関与する。米国は強く、信頼できるパートナーになる。
一、米国の歴史に新たな章を書き加えた時、子供や孫たちはいつか、われわれが全身全霊で義務を果たし、傷ついた国を癒やしたとたたえてくれるだろう。
一、憲法と民主主義、米国を守ると誓う。権力ではなく可能性、個人の利益ではなく公益のために尽くす。
一、民主主義と希望、真実と正義はわれわれの目の前で死にはしなかった。米国は自由を守り、もう一度世界の灯台になった。 

するつもりはない

金持ちが 国の財布を握る
生活困窮者への給付も 一刀両断
「するつもりはない」

最悪の感染拡大は想定済みで
施策を立てるのが政治の責任
これまで得られた 貧しい知見も活用できず
中途半端な支援策を労して 失敗は自明の理
「国民みんなで連帯してこの難局を乗り切るため」
いまこそ難局 出鼻をくじく
金持ちが 恵んでやるカネはないと啖呵切る

人を見下したようなダミ声で
貧乏人を 相手に「するつもりはない」
貧乏人は自己責任 支援「するつもりはない」
貧乏人の救済 論議「するつもりはない」

国会での議論もなしに 独断する
金持ちに 誰も反論できず
これが民主主義国家とは 情けない
マスコミも へらっと笑ってご機嫌伺い
マスコミは 懐柔されて伝言板と化す
マスコミは 批判「するつもりはない」 

〔2021年1月19日書き下ろし。ご意見番がいないばかりに、辞めずに居座る。硬直した財政の根っこに、果たしてマスコミはどれだけ切り込み反駁できるのか〕

付記
一律10万円の再給付「するつもりはない」 麻生財務相
麻生太郎財務相は19日、閣議後の記者会見で、緊急事態宣言の再発令に伴い昨年実施した国民一律に現金を配る「定額給付金」の再支給を求める声が出ていることについて、「国民に一律10万円の支給をするつもりはない」と否定した。生活が困窮した世帯に限定して給付する選択肢についても、「考えにくい」と否定的な考えを示した。
新型コロナウイルス禍の支援策では、これまで得られた知見を生かした施策が必要と指摘。営業時間の短縮要請に応じた飲食店への協力金や、収入が減った人に無利子で融資する緊急小口資金の特例措置など、今回は的を絞った支援策で対応していく意向を明らかにした。
麻生氏は昨年春の宣言下で10万円の定額給付金の支給が決まった理由を「国民みんなで連帯してこの難局を乗り切るため」と説明していた。(産経新聞2021年1月19日)

危険なホワイトアウト

朝早く家を出た
用事を済ましたところから 降り出した
札幌市内は真っ白になり ホワイトアウトが起こった
見通しは 全くきかなくなってきた

こんな天候は慣れていたはずなのに
急ブレーキは禁物と心して ゆっくり走り続ける 
ブレーキを時々かけながら 後続車の追突に注意する
前の車のテールランプを頼りに 追走する
時々テールランプは 地吹雪にまかれ消える
信号も 雪に隠れて見えにくい
赤で引っかかると 前車は視界から消える
信号が変わると 見失った目標を恐る恐る探す

車の往来の多い 国道12号線
激しい降雪と地吹雪で 戦々恐々
突然前方から センターラインをはみ出して
直進してくる車 直前でかわす
直感優先で 走っていたのだろう
お互い肝を冷やす

エチケット ライトをつける
ただそれだけで 対向車や追走に役立つ
お互いさまの大事なルール
ライトもつけず 無視するものは必ずいる
危険を呼ぶことを承知で 運転するのは許せない

夕方のニュースは 近郊の交通事故を報道する
自衛隊の車両も 路肩にひっくり返っていた
液体酸素を積んだタンク車の運転席は 大きく破損していた
東北自動車道での事故も 大きく取り上げられていた

厳冬期の天候の急変は 予想だにできない事故を生む
エッセンシャルワーカーのドライバーには強敵である
安全運転で 無事の帰宅を祈ろう
コロナ禍でも 仕事を休むことが出来ないドライバーに
ありがとう そして気をつけてと
ホワイトアウトに遭遇すると 心からそう願った

〔2021年1月19日書き下ろし。ホワイトアウトの恐怖は市内で初めて。7年前に東北自動車道で吹きだまりに突っ込んだ以来である〕