阪野 貢 のすべての投稿

志ある政治家は皆無か

政治家も
50代は まだボンボン
60代は ませたガキ
70代は やんちゃを尽くし
80代は パワー全開

政治家は 
50代で 頭角を現し
60代で 玉座を狙い
70代で 一気に攻め込み
80代で 院政を執る

政治家は
50代では 派閥に貢献
60代では 派閥が支援
70代では 派閥を仕切り
80代では 派閥のお荷物

政治家は家業となった
1代目は 世直しに燃え
2代目は 世直しを叩き
3代目は 世直しの的となる

政治家は稼業である
政治献金集金業 
不正収入 帳簿を書き直せばお咎めなし
手心加えれば 当然お咎め受ける
うまく集める者が ドンとなる
なくば選挙は戦えず 負けてタダの人となる

18日 通常国会が始まった
施政方針演説 政治生命かける一念あらず
紛糾したら コロナ解散ありの国会劇場
政治家(せいじか)と政治家(せいじや)
どう峻別(しゅんべつ)しようか
志なくば ただの欲の塊の集まり
さて 騙されぬよう 裏切られぬよう
まずは 各々の千里眼を鍛えましょうか

〔2021年1月19日書き下ろし。提案された政策が有言実行されてスピード感を持って改善されるかどうかしかない。20日は米国大統領就任式の日。試練の道が始まる。歴史に悪しき名を残す自己愛の男の退場の日〕

もう無理でしょ

株価は下がらず ガンガン上がる異常事態
日銀は国債分の万札を バシャバシャ印刷
市場はカネがダブつき ジャブジャブ余る
株券抱えた投資家たちは ホクホク顔で勢いづく
世間じゃ食い扶持足りず フツフツと不安が頭をもたげる 

米国じゃ 昨年の平均余命が1・13歳も下がった
(南カリフォルニア大などの推計)
日本は感染者も死者も少ないからと高をくくり
お粗末な感染対策施して 国民に拡大責任押しつける
誠意のない不遜な態度が 不評と不信を増長させて
いまだ出口の見えない 緊急事態宣言実行中!

そもそも能力もビジョンもなく 判断力すら欠ける人が
手懐(てなず)けた者たちと 国難を乗り切ろうとは
その甘さと鈍感さに 世論は大反発
内閣支持率33% 不支持率57%
もう無理だと ダメ押しされたこの数字
いまさら巻き返しは難しい
桜も鶏も河井夫婦も二階も 
コロナ以上に めんどくさいお荷物となる

誰がやっても同じことと 
庇(かば)う人もいるだろう
統治能力低い指導者の下 英断できない政治は 
まざまざといのちを晒し 国難を極める
通常国会は 些末な審議に時間を費やすことだろう
国の活路を どう見出すのか
保身や敵対ではなく 
誠意と協調を掲げて 論議するしかない
実り薄き国会論戦は もうたくさんだ

議員諸氏 本気と気骨をいまこそ示せ!

〔2021年1月17日書き下ろし。国会が明日から開催される。注目すべきは火急のコロナ対策しかない。心してかかってほしいと虚しく願う〕

付記
菅内閣支持33%、不支持57% 緊急事態遅すぎる71% 毎日新聞世論調査
毎日新聞と社会調査研究センターは16日、全国世論調査を実施した。菅内閣の支持率は33%で、2020年12月12日に行った前回調査の40%から7ポイント下落した。不支持率は57%(前回49%)だった。20年9月の政権発足直後の調査で64%だった支持率は、前回に続いて大幅に低下し、不支持率が上回っている。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府が発令した緊急事態宣言について、どう思うか聞いたところ、「遅すぎる」との回答が71%にのぼり、「妥当だ」の18%を大きく上回った。「必要ない」は7%、「わからない」は5%だった。宣言の対象については、「全国に広げるべきだ」との答えが50%で、「全国に広げる必要はない」は42%。「わからない」は8%だった。宣言を巡っては、前回12月の調査では57%が「発令すべきだ」と答えていた。政府は今月に入って11都府県に宣言を再発令したが、対象の全国への拡大には否定的だ。国民は政府の宣言発令は後手に回ったと見ているようだ。
菅政権の新型コロナ対策についての質問では、「評価する」は15%(前回14%)で、「評価しない」は66%(同62%)と、低評価が続いている。「どちらとも言えない」は18%だった。首相は記者会見などで、不要不急の外出自粛やテレワークを7割にすることなどを呼びかけているが、首相のメッセージが国民に伝わっていると思うかを尋ねた。「伝わっている」は19%にとどまり、「伝わっていない」の80%を大きく下回った。与野党から「説明が足りない」などと批判されているが、首相の発信力不足を感じている人は多いようだ。(毎日新聞2021年1月16日)

3兆円がぶっ飛ぶ

東京五輪の開催は 無理でしょ

ごり押しするのは 誰でしょう
組織委員会森喜朗会長は 延期は出来ぬ
出向職員を延長できぬがその理由
神の国 だから神頼みしか道はない
IOCに気を遣い 3兆円の税金ぶっ飛ぶ

管首相も小池都知事も
東京五輪の開催に意欲を燃やす
やれるのかの疑問に答えず
科学的根拠も示すことなく その場しのぎの失策続ける
日本全国 感染拡大は止まることなし
緊急事態宣言や特措法で縛ろうが
コロナは 言うこと聞くはずない
IOCに気遅れして 3兆円の税金ぶっ飛ぶ

1億人近くの感染者と2百万人の死者
世界中で日々カウンされてゆく
米国は コロナと政争で分断され 民心は混乱を極める
欧州は 変種のコロナが大手を振い 余裕などあるはずない
印度も南米も 感染に歯止めはかからず
五輪代表選手の選考会やれるんですか?
国際オリンピック委員会の関係者も実現に懐疑的な見方
「コロナ感染拡大の影響で不確実性が増している」
どこの国もオリンピックどころではない
IOCに気兼ねして 3兆円の税金ぶっ飛ぶ

海外からの入国水際対策に不安を抱え ようやく禁止の制限発出
WHOは ワクチン接種が海外渡航の条件にあらずと勧告
いまの深刻な事態が 半年やそこらで改善するとは思えない
大金の動く五輪の開催 カネの亡者が世界から集まりむさぼる
IOCが気に障ろうと 3兆円の税金はぶっ飛ぶ

コロナ対策の失政で たくさんの犠牲を払っている
感染防止と経済の両立を目指す政策は不可能と
経済界からも厳しい苦言が発せられた 
経済的状況の悪化は 失業と貧困を招き
さらに多くの人に 厳しい暮らしを強いてくる 
出口の見えない希望も湧かぬ果てにあるのが
五輪とは到底思えぬ 
その妄想は捨てよ
いい加減覚醒して 五輪中止を英断せよ
コロナ対策に 真剣に集中せよ
五輪貴族のIOCに 追従するなど許されない
IOCに振り回された 3兆円の税金は諦めよう

〔2021年1月17日書き下ろし。今日は阪神淡路大震災の日。コロナという災害が世界を襲う。この緊急事態を鑑みて、開催を諦めないのは幻想を抱かせているだけの罪である〕

付記
五輪・パラリンピック、延期でいくらかかる?
アウルさん 東京五輪・パラリンピックの大会経費が増えることになったの?
A 大会組織委員会は昨年末、大会が1年延期になったことなどで新たに2940億円が必要になり、総額は1兆6440億円に増えたと発表した。57%にあたる9380億円を国や都の税金で、残りはチケットやスポンサーなどからの収入で賄(まかな)うことにしている。
ア 「総額3兆円」という話も聞いたけど。
A 国や東京都には、「五輪以外にも役立つ」などの理由で、今回の予算とは別枠(べつわく)で負担している分があるんだ。会計検査院は2019年末に「国はすでに五輪関連で1兆600億円を支出した」と指摘(してき)していて、都も昨年1月「関連経費は7770億円」と発表した。これらを合わせると、3兆円を超(こ)える。
ア 五輪を招致(しょうち)している時は「コンパクト五輪」をアピールしていたよね。
A 招致時の計画では、総額7340億円だった。だけど、見積もりが甘(あま)かったうえ、必要なのに含(ふく)まれていなかった経費も多く、開催(かいさい)決定後にふくらんだ。
ア もっと安くできないの?
A 組織委は延期後もコストを切りつめ、300億円を減らしたけれど、ある幹部は「これ以上は難しい」と話している。
ア さらにお金がかかる心配は?
A 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらなければ、追加の対策費が必要になるかもしれない。無観客で開催になった場合、900億円を見込(みこ)むチケット収入がゼロになる可能性もある。そうなったら、公金をさらに投入しないといけなくなりそうだ。
ア まだ見通せないね。
A 「実際にいくらかかったかは、大会後になるまで分からない」と話す関係者もいる。支出が適切か、その都度チェックする仕組みが必要だ。
(朝日新聞連載「いちからわかる!」2021年1月16日)

東京五輪中止の可能性、米紙報道 コロナ影響で開催見通し厳しく
【ニューヨーク共同】米有力紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は15日、新型コロナウイルスの影響で今夏の東京五輪の開催見通しが日々厳しさを増しており、第2次大戦後、初の五輪開催中止に追い込まれる可能性があると伝えた。
同紙は、日本と米国、欧州主要国で感染拡大が続き、国際オリンピック委員会(IOC)らの間で、安全な五輪開催は不可能との声が出始めたと指摘。ディック・パウンドIOC委員(カナダ)が開催に「確信が持てない」と述べたことなどを挙げた。
開催される場合、選手や関係者らが従来にない不自由さを強いられるとの見通しを示した。(北海道新聞2021年1月16日)

コロナワクチン接種、海外渡航の条件にならず WHOが勧告
世界保健機関(WHO)は15日、新型コロナウイルスに関し、ワクチン接種や免疫獲得の証明を海外渡航の条件としないよう勧告した。ワクチンの感染抑制効果を巡って「重大な不明点」が残るほか、接種が限られるためと説明した。
WHOの緊急委員会は声明で「現時点で各国とも入国の条件として、ワクチン接種や免疫獲得の証明を義務付けるべきではない」と表明。また「ワクチン接種の証明があるからといって、海外渡航者が他の感染予防対策を免除されるべきではない」と強調した。
テドロス事務局長は一連の勧告を承認し、国連加盟国に送付した。
WHOで緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は、現時点でまだ科学的根拠が完全ではなく、ワクチンも十分ではないので、渡航に不必要な制限を設けるべきではないというのが勧告の趣旨だと述べた。こうした中、WHOの主任科学者を務めるソミヤ・スワミナサン氏は、コロナワクチンの世界的な公平分配を目的とした枠組み「COVAXファシリティー」を通じたワクチン配布が1─3月中に開始し、年内に配布量が拡大するという見通しを示した。(Reuters2021年1月16日)

うなずき

なんでうなずかないのかな
そりゃそうだよ
下見て話していては 見えないっしょ

なんでうなずけないのかな
そりゃそうだね
納得のいく 話じゃないっしょ

なんでうなずかないのかな
そりゃそうだよ
棒読みじゃ 気持ちがさっぱり伝わらないっしょ

なんでうなずけないのなか
そりゃそうだね
やってることと言ってることが違うっしょ

なんでうなずかないのかな
わかった
信用ならないってバレたんだ

なんでうなずけないのかな
わかった
信用ならないってバレバレだから

それで合点がいった
お互いようやくうなずいた
えっ この人日本の首相だよ
こんなにわかり合えないで
この先どうするの?

〔2021年1月16日書き下ろし。納得できない、同意は無理、承諾なんてまっぴらごめん。誰かこの人の話を聞いてうなずいていた? なんだ取り巻きだけか〕

初給料

姉妹は 施設で育った

姉は 妹と二人で暮らしたかった
姉は 早く独り立ちしたかった
だから 介護福祉士を目指し 資格の取れる高校を選んだ

姉は 3年間施設を離れ 資格を取った
姉は 卒業し施設を出て 老人ホームに就いた
姉は 念願の独り暮らしを始めた
そして 初任給を手にした

姉は 迷わずスマホを買った
姉は すぐに妹に手渡した
やっと 誰にも気兼ねなくつながった

姉は 二十歳になった
姉は 成人になった
ようやく 妹を引き取る条件のひとつをクリアした

姉は コロナ禍介護の仕事に汗を流す
姉は 妹と会えずにいる
でも スマホが二人の希望と絆を紡ぐ

〔2021年1月15日書き下ろし。児童養護施設で育った姉妹の小さな夢。今日この話を聞いて心が揺さぶられた。厳しい介護の現場で頑張る姉と一日千秋の思いで待つ妹にエールを贈りたい〕

Stop the Steal(票を盗むのを止めろ)

俺が勝った
絶対勝った
騙されるな
俺の票が盗まれたんだ
俺だけの世界を盗まれた
俺の人生に 負けはあってはならない

俺を貶(おとし)めた者たちは
俺を血祭りに上げようと血眼になっている
俺は間違ったことは言ってない
俺の話はいつも誠実で真実だ
俺をはめようと 嘘で塗り固めて攻撃する
SNSもFacebookも そしてYouTubeとSnapchatも
奴らの隠謀で 君とつながる道を遮断された
大企業は 政治献金の差し止めや見直しで脅し始めた
愛国者よ この仕打ちを許せるか

俺も愛国者だ
俺を愛してやまない者たちの 希望そのもの
俺を信じてついてきた者たちの 勇者そのもの
決してあきらめるな
決してひるむな
いまこそ 勝利を高らかに宣言する時だ
50州に 勝ち鬨の声を上げよ

愛してやまない者たちよ
たとえ誰が大統領になろうとも
俺が正真正銘のアメリカそのもの
分断されたもう一人の大統領
俺が法と秩序だ
俺の言葉をバイブルとせよ
俺は神に一番近い男

愛してやまない者たちよ
票を盗んだものたちとの
遺恨を晴らす戦いは まだ序盤戦だ
すでにこの選挙で 民主主義は崩壊した
戦闘心を 鼓舞せよ 
敵対する者すべてを 撃破せよ 
いまこそ 正義への意志を示せ

民心を震撼させる恐怖が 
寛容を失った社会を覆う
狂気の時代の幕が上がった

〔2021年1月13日書き下ろし。遺恨のピリオドは打たれず、いまだ抵抗を繰り返し熱狂者に怒りを伝える。支持者から集めた3億ドル(約310億円)はどう使われるのか。そこに群がる議員たちに支えられた、二分化された統治は否定できない。追従してきた旧安倍政権の浅はかさが際立つ。管首相は静観してはならない〕

リスクファクターを取り除け

「年末年始、新規感染者数は減少する」
「そんな悠長なことを言っている場合ではない。国家の危機を前に陣頭指揮を執るリーダーとして、現状把握能力に欠けた致命的な発言だ。この発言が本心だったとすれば、政権の危機管理は相当危ういのではないか」(AERA2021年1月18日号抜粋)

管首相が 描いたコロナ対応の3つのシナリオ

①緊急事態宣言により感染拡大に歯止めをかける
宣言をしたからって すぐには歯止めはかからない
ましてや 4月とは全く違う状況に
瀕死な状態に カンフル剤を打ち込もうにも
その状態まで静観していた あんたらが悪い
中途半端な甘い給付策では おぼつかないだろう
罰則と支援の ムチとアメの使い勝手も難しい 

②2月上旬特措法改正により罰則などの強制力を持たせて実効性を高める
暮らしが成り立つように 財政発動をどれだけするかで決まるだけのこと
チマチマと 貧乏くさい度胸のないやり方を続けているだけでは無理なこと
そもそも パンケーキすら食べられない子をどう救うのか?

③2月下旬に前倒しするワクチンの接種開始を国民の安心につなげる
前倒しって何だっけ?
たかだか1~2週間早めますって さもさもらしく自慢げに言うことか
まずは その安全性をしっかり担保してからの接種だろう
接種に不安を持つ人たちに 正確に情報を示さなければ納得できない
学術会議へのコンプレックスは 見え見えだけど
専門家の科学的根拠に基づいた助言を まずは真摯に聞いてください
もう一つ これで不安が解消するわけではないということ
オリンピックを目指すという たわけた念仏を唱える前に
やるべき事を迅速にやるしかない
というより やれなかったから
「はいこれまで~よ」ってダメ出しされているでしょ

シナリオは どうとでも描ける
絵に描いた餅にならぬよう 心して為さねば
離反した民心は 戻るところを失う

シナリオは なんとでもなる
長中期的なビジョンを持った 短期的集中的な取り組み
期待だけ抱かせる愚弄は やめていただきたい

シナリオ通りに 回るわけではない
内閣支持率のための 受けねらいは捨てるべき
説明しない態度を まず改めることから始めよう

民心のリスクファクター(不安要素)を 
一つでも取り除いてほしい
だから 議員諸氏 心に汗して働け!

〔2021年1月13日書き下ろし。11都府県緊急事態宣言発出、2月7日まで。肝心な事は何も語らず不信感だけがつのってくる。緊急事態宣言の発出は「年末年始に感染状況が良くならなかったことにつきる」と、勝負の3週間なにも手当しないで他人事のように語る言葉に真実味はない〕

付記
道、集中対策期間を1カ月延長 緊急事態要請基準「週内感染10万人当たり25人超」
道は13日、道内で新型コロナウイルスの直近1週間の新規感染者数が10万人当たり25人を超えた場合に、政府に緊急事態宣言を要請する方針を決めた。道内の数値は13日時点で21人。これ以上の感染拡大を防ぐため、15日までとしていた集中対策期間を2月15日まで1カ月延長し、札幌市の繁華街ススキノ地区のすべての飲食店に午後10時から午前5時までの営業自粛を要請する。道は14日午後に感染症対策本部会議を開き、新たな対策を決定する。(北海道新聞2021年1月14日)

阪野 貢/「人間は善であると同時に悪である」という言説―リチャード・ランガム著『善と悪のパラドックス』のワンポイントメモ―

〇進化論や人類学などに関して全くの門外漢である筆者(阪野)が、興味深く読んだ本がある。リチャード・ランガム著・依田卓巳訳『善と悪のパラドックス―ヒトの進化と<自己家畜化>の歴史―』(NTT出版、2020年10月。以下[本書])がそれである。カバーの「そで」には次のような紹介文が記されている。「最も温厚で、最も残忍な種=ホモ・サピエンス。協力的で思いやりがありながら、同時に残忍で攻撃的な人間の特性は、いかにして育まれたのか? <自己家畜化>という人間の進化特性を手がかりに、(中略)人類進化の秘密に迫る」。この一文が目に留まったときなぜか、医療や介護の現場で献身的に働く職員の姿とともに、2016年7月の「相模原障がい者施設殺傷事件」のこと、2018年10月に20年ぶりに訪れた韓国の板門店(パンムンジョム)や非武装地帯(DMZ)の風景などが脳裏をかすめた(昨年12月に1週間の検査入院をしたこと、25年近く相模原市に居住していたこと、1989年前後の10年近くしばしば韓国・ソウルを訪ねていたこと、などによるのであろうか)。
〇「人間の本性(本質)は善か悪か」ではなく、「善良であると同時に邪悪である」(19ページ)。攻撃性の資質に関して人間は「どっちつかずであり、どちらでもある」(356ページ)。本書では、この矛盾を解明するために、「反応的攻撃性」(reactive aggression)と「能動的攻撃性」(proactive aggression)というキー概念を用い、「自己家畜化」(self-domestication)という仮説に基づいた進化論を展開する。その際、「専門的な論文と、その広範囲に及ぶ意味をわかりやすく(しかも丁寧に)紹介する」(5ページ)。筆者でも好奇心をもって通読できた要因のひとつである。
〇ランガムにあっては、「ほかの霊長類と比較して、人間が日々の生活で暴力的になることは例外的に少ないが、戦争時の暴力による死亡の割合は例外的に高い」という、この矛盾(paradox、背反)が「善と悪のパラドックス」(34ページ)である。それを解消するために用いる概念が、「反応的攻撃性」と「能動的攻撃性」である。反応的攻撃性は「恐怖や激情に駆られて衝動的に暴力をふるう性質」(「激情タイプ」)をいい、能動的攻撃性は「冷静に計画して相手を排除する性質」(「冷静沈着」タイプ)をいう(16、376ページ)。人間は、ほかの動物に比べて反応的攻撃性が低く、能動的攻撃性が高い。
〇その理由は「家畜化」にある。「ヒトは『家畜化された種』と呼んでさしつかえない特徴を充分に備えている」(16ページ)。その際の「家畜化」とは、生涯のあいだに飼い慣らされるというのではなく、「遺伝的適応の結果として従順になる」という意味である。ランガムは、「ほかの種にうながされることなく、反応的攻撃性が低下するプロセスを『自己家畜化』と呼ぶ」(116ページ)。「人間の(反応的攻撃性が弱く)従順な行動は、家畜化された種を思わせるが、われわれを家畜化しうる種がいない以上、自己家畜化したにちがいない」(82~83ページ)。
〇では、ヒトの自己家畜化はどうやって起きたのか。ランガムはいう。「ヒトは、おそらく比較的穏やかな社会的圧力に合わせて、とりわけ高い反応的攻撃性を示す個体をときおり排除しながら、ゆっくりと自己家畜化していったのだろう」(209ページ)。「言語能力の向上にともない、集団内で連携して支配的な攻撃者を排除、追放する個人の能力が発達した。その連合で、過度に攻撃的な人間を淘汰することが可能になり、結果として(中略)自己家畜化が進行した」(213ページ)。すなわち、横暴な支配者を連帯行動によって意図的・計画的に排除(「処刑」)する能動的攻撃性の発達が、(処刑の恐怖によって)反応的攻撃性を抑制し、ヒトの自己家畜化が進んだ、というのである。さらに自己家畜化の副産物として、有益な情報を意図的に共有する「協調的コミュニケーション」の能力(240ページ)が発達した、とランガムはいう。
〇およそ以上がランガムの議論・見識の要点である。一言でいえば、「人間は善であると同時に悪である」(12ページ)。「人類は『最高』で『最悪』の種になった」。すなわち、性善説か性悪説かの二者択一ではない。そのうえでランガムは、次のように述べて本書を締めくくる。

私たちはときに協調を価値ある目標と考えるが、道徳と同じく、それは善にも悪にもなりうる。/人類が探求すべき重要なことは、協調の促進ではない。その目標はむしろ単純で、家畜化と道徳感覚によってしっかりと基礎づけられている。それより困難な課題は、組織的な暴力が持つ力をいかに軽減させるかだ。/私たちはその道を歩きはじめたが、まだ先は長い。(366ページ)

〇筆者(阪野)は、市民福祉教育の思想や哲学、原理や価値についてどう考えるか、市民福祉教育の実践や研究の根底にはいかなる生命観や人間観、生活観を必要不可欠とするか、そんなことを考えている。本稿は、そのとてつもなく大きな課題にアプローチするためのひとつのメモにすぎない。

正義のお墨付き

管さんもやるじゃないか
お国のやり方に従わない奴らを 懲らしめてきたけど
これでやっと日の目が見られる
正義のお墨付きを もらったも同然
大手を振って 取り締まろうぜ
コロナ自警団とか 自粛警察なんて生っちょろい
正義は勝つ
俺たち摘発制裁特捜隊

自粛してるかどうか 片っ端からチェックする
ルールの守らないのは 金輪際店を開けないよう見せしめる
夜の盛り場 ほっつき歩いている若いもんや酔っ払い
この街にはいらない連中 追い出そう
危ないって? 
大丈夫!
用心に手抜かりなし 準備万端 用意周到
正義は勝つ
俺たち摘発制裁特捜隊

県外ナンバー 県内でも別の町のナンバー
しっかりチェックして 追い出そう
ランチなんて食べてる場合か
SNSでばら撒いて 二度と来ないように懲らしめる
移動制限かかっている以上は 許せない
正義は勝つ
俺たち摘発制裁特捜隊

昔々ハンセン病の撲滅に 
警察も保健所も世間も 一体になって取り組んだ
弾圧・密告なんて当たり前
なんせ感染病は恐ろしい
えっ! コロナが出たって
どこの家だ!
隠しても無駄なこと
あいつか! 
名前公表 非難批判は当たり前
正義が勝つ
俺たち摘発制裁特捜隊

ヤバい!
俺コロナに罹っちまった!
仲間はみんな濃厚接触者 だから陽性確実
俺たち世間の恥さらし 
世間から弾(つまはじ)きにされて
正義は 俺たちを糾弾する
摘発制裁特捜隊元メンバー 
風呂敷かぶって 世間に暮らす

※特別措置法(とくべつそちほう):現行の法制度では対応できない特定事態に対処する目的で制定される法律。被災地の復興支援,公害対策,感染症対策,テロ対策,自衛隊の海外派遣,防災対策など,適応対象や期間を限定することが多い。

〔2021年1月13日書き下ろし。歪んだ正義感や同調圧力による攻撃行動は後を絶たない。
鬱憤払いの実力行使もネット上での匿名非難も、特措法の罰則強化により正義漢ぶる者たちが増えることを否定できない。罰則よりも救済こそ必要である〕

付記
内閣支持40%、不支持41%(NHK世論調査)
NHKは、今月9日から3日間、全国の18歳以上を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で(アールディーディー)世論調査を行いました。
調査の対象となったのは、2168人で、59%にあたる1278人から回答を得ました。
それによりますと、菅内閣を「支持する」と答えた人は、先月より2ポイント下がって40%、「支持しない」と答えた人は、5ポイント上がって41%で、支持と不支持が逆転しました。
支持と不支持が逆転したのは、去年8月に安倍前総理大臣が辞任を表明する直前に行われた調査以来で、去年9月の菅内閣発足以降では初めてです。
内閣を支持する理由では、「他の内閣より良さそうだから」が39%、「人柄が信頼できるから」が23%、「支持する政党の内閣だから」が21%などとなりました。
支持しない理由では、「実行力がないから」が40%、「政策に期待が持てないから」が33%、「人柄が信頼できないから」が11%などとなりました。(中略)
新型コロナウイルスに自分や家族が感染する不安をどの程度感じるか聞いたところ、「大いに感じる」が45%、「ある程度感じる」が42%、「あまり感じない」が9%、「まったく感じない」が2%でした。
新型コロナウイルスをめぐる政府のこれまでの対応について、「大いに評価する」が3%、「ある程度評価する」が35%、「あまり評価しない」が41%、「まったく評価しない」が17%でした。
特別措置法について、政府は、事業者への財政支援と罰則をセットにした改正を目指しています。罰則の明記について聞いたところ、「賛成」が48%、「反対」が33%、「わからない、無回答」が18%でした。(NHK2021年1月13日更新)