阪野 貢 のすべての投稿

笑えない

国会議員が付けてる ブルーリボンの青バッチ
北朝鮮に拉致された人たちの 無事な帰国を願う運動の象徴
その心意気は すっかりしぼんだまま アクセサリー化した 無用なバッジ
拉致被害者を返す気などさらさらない 一切無視の金正恩北朝鮮
運動への参加を表明するだけで 何の手立ても講ぜぬままに 
老いる拉致被害者家族たちの願いは 遠のくばかり いまも叶わず
青バッチが 無意味化していく 笑えない一品

いじめは 子ども同士の問題だから
いじめ防止法は はなっから先生のことには 触れてはいない
生徒指導の一貫と称して いじめに荷担(かたん)したとしても
事実関係が 明白にされない限り 罰することは できません 
生徒指導を口実に 子どもへのいじめは 止めてください
あなたのこころ 病んでいますと訴えても その自覚が全くない
いじめのアンケート調査票 ご丁寧に破棄して 知らんぷり
直接いじめても だんまり決めて おとがめ回避
黙認されてきた 学校の内実が暴露され 
隠蔽体質が 白日にさらされたその時は
当事者抜きで 教育委員会が雁首そろえて 謝罪に臨む 
世にも不思議な社会現象
該当教員 カタチばかりの懲罰受けて 年度末
ほかの町に異動して 一件落着とは 笑えない人事

初めて 市民の福祉活動のありさまを知りました
町の福祉を 市民が主体で動かしているなんて すごいと思いました
想像すら出来なかった活動が 熱心に取り組まれているなんて 驚きです
社協主催の市民シンポジウムに参加して 覚醒された役所の福祉担当さん 
いまからでも遅くはない そこがあなたのスタートラインです 
地域丸ごと支援を進める 部署の実態ならば ただただあきれるばかり
国の制度や答申の 解釈だけに時間を潰し 
しまいに 住民主体の福祉のまちづくりだと 社協に丸なげ苦笑う
笑えない仕事ぶり

笑えない 小さな不満と憤りが 少しずつこころを冒(おか)す
かわりに 希望が 少しずつこころから追われる
あきらめと妥協が 少しずつこころを満たす
空気のように 人を介して 静かに感染し 
社会のあらゆる世界に 確実に広がる
抗(あらが)うことも できないままに 目を背(そむ)け
歪んだ笑みを 力なく浮かべるだけ
子どもも いつしか笑うことすら 忘れてしまった

そうなる 兆(きざ)しは すでにある
無力は 言い訳にはならない 
非力は 行動を起こさない自己逃避
笑顔なき社会を 未来に手渡してはならない
だから 踏みとどまって 何が出来るのかを考えよう
ひとりで 決して悩むことなかれ
きみは 決してひとりではない

〔2019年9月3日書き下ろし。政治も教育も福祉も大きな課題を抱えながらも、現場で汗する人たちがいる。その思いを打ち消す輩が笑顔を奪う。笑顔なき社会に子どもを委ねられますか?〕

付記
いじめ防止対策推進法(平成25年6月28日法律第71号)
(学校及び学校の教職員の責務)
第八条 学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。

三つのケア

1995年2月5日 建築家のH女史と 
常呂町(現在北見市~カーリングの日本のメッカ)で
まちづくりに関わる仕事を ご一緒した

台湾生まれの彼女は 雪の北海道は初めてだった
防寒衣に身を包み
娘さんのスノトレ(雪道でも滑らぬように工夫された冬用シューズ)を借用
さらに アイゼンのような仕様の滑り止めを 千歳空港で購入して 靴に装着してきた
その夜 常呂のまちの雪祭りを 案内した
歩行に多少の難儀を感じる 彼女をエスコートして
仲間と祭りを 楽しんだ

翌朝 ホテルで朝食を ともにした
そこで 初めての雪祭りは 
とてもファンタスティックだったと 嬉しそうに語る
そこに 3つのケアがあったと 教えてくれた

ひとつは 雪祭りを楽しむための 万全の準備をしたこと
ふたつは エスコートしてくれたので 安心して歩けたこと
みっつに 自分を指さし “わたし”といって にこっと笑った

わたしが 冬の北海道を楽しもうと思わない限り
外に出るための 準備や人は不用だと

ケアの基本は 自立 
その人の そうしたいという意思を 尊重すること
多少の不便さを ひとがケアすることで 
まちはもっと やさしくなれる

外に出たいというおもいを 叶えるための “ひと環境”を 
24年後の今 どれだけ整えてきたのだろうか
まちづくりの基本も ここにあったことを
いま 思い返していた

〔2019年8月22日書き下ろし。不便さもまた、やさしさを広げる要素となる〕

香港の若者たち

9月4日 香港政府は 2月に出した「逃亡犯条例」を撤回した
「社会が前に進む出発点」という 行政長官林鄭月娥の言葉は 無力だった 
遅きに失したと 反論するも 社会が 何処に向かって進もうとするのか
そこに 高度な自治と民主化を求めた 市民との深い乖離があった 
だから 若者たちは立ち上がり 市民とともに抗議行動を起こしたのだ
事態は 政府と警察への さらなる不信感を募らせ 沈静化の目処は立たない
 
3月 1万2千人から始まった
6月 103万人 そして200万人と 市民が中心街をびっしり埋め尽くした
林鄭は 中国政府の意向をおもねるばかりで 廃案を表明しただけ
抗議デモは収まるどころか 撤回を要求し続ける
7月 香港議会に強行突入 中国政府の出先機関にも抗議した
8月 ゼネストに35万人が参加 香港国際空港を占拠 見事な戦略だった
一方広東州深圳では 武装警察官の制圧訓練が 開始されていた
18日170万人デモは平和理に終始したが 林鄭の曖昧な回答で 再びデモが激化 
香港政府本部庁舎前で衝突 警察は強制排除を強行した 
一部暴徒化したデモの取締を強化して 地下鉄の車中まで 若者を追い回し痛めつける 
不法地帯と化した映像は 世界中に配信され 震撼させた

混乱を引き起こした林鄭は 警察の武力介入を黙認し
多くの市民や社会 そして経済に 大きなダメージを与え続け
ひたすら本国の指示を待ち そして突き放された
「我々が主導したのではない 香港当局が自発的に動いた」
責任は林鄭にあると 共産党関係者がコメントしたという
傀儡(かいらい)ならではの 板挟み
バックを信じて 権力を誇示したばかりに
こじれて こじれて 収拾不能の事態を 自ら招いた
要求はさらに 政治改革の主柱 普通選挙実現へと拡大した

党政権の目的は 批判的な国民を 自由都市香港から 犯罪者として一掃することなのか
党政権の意向の反映とは 残酷な仕打ちと愚陋(ぐろう)を繰り返すことなのか
党支配とは 武器と暴力で市民の声を叩きつぶし 恐怖で服従を強いることなのか
党体制の維持とは 普通選挙権もなく 国民を隷従化(れいじゅうか)することなのか
一国二制度の下では 人としての尊厳を主張することは 許しがたきことなのか
若者たちが 香港市民が 世界に向けて 切実に訴えている声を聴こう!

憤怒の傘を広げ
自らの未来を賭けて
国家権力に 果敢に立ち向かう 統制された平和デモ
ほんの一部が暴徒化し 非難され 罵倒(ばとう)されても ひるむことなく 
高度な自治と民主化 そして自由を求め 信じる道を 突き進む 
逞(たくま)しき 若者たち
政府との対話への道程は これからが 胸突き八丁にさしかかる
いまこそ 明確なビジョンと戦略を示して 変革のエネルギーに変えて 
香港市民とともに 自由と共生への苦難の道を 切り拓いてほしい

若者らの行動に 
形骸化した 日本の民主主義の残滓(ざんし)が 
オーバーラップした  

〔2019年9月6日書き下ろし。混迷続く香港。自治と民主化を求めて果敢に立ち向かう若者たちに強く惹かれるのはなぜか。民主主義を多数決に置換した日本のいまに危機感を覚えるからか。自由とはなにか、民主主義とは何かを提起する、香港の市民運動に注視〕

付記
香港の条例改正案撤回 事態収拾にはまだ足らぬ
香港の林鄭月娥行政長官が中国への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の撤回を正式に表明した。民主派は「遅すぎる」と批判し、事態収拾の行方は不透明だ。
長引く混乱は国際金融都市の経済にも打撃を与えている。林鄭氏はさらなる譲歩も考慮すべきだ。林鄭氏は6月に大規模デモが続いた後、改正案の事実上の廃案を表明したが、正式な撤回表明には応じなかった。その後も週末ごとにデモが行われ、8月には香港国際空港が占拠されてマヒする事態も起きた。
警察は催涙ガスやゴム弾を使って取り締まりを強化し、1000人以上が拘束された。デモ隊の一部は火炎瓶などで対抗し、警察とデモ隊の双方に負傷者が出ている。
撤回表明は約3カ月に及ぶ混乱を収束させる狙いだろうが、民主派の要求とは隔たりが大きい。民主派は警察の取り締まりの是非を検証する独立調査委員会の設置や拘束されたデモ参加者の釈放、民主的選挙の実現などを求めている。特に警察の過剰警備への批判は市民の間にも根強い。独立調査委の設置がなければ、穏健派も納得できまい。
林鄭氏は非公開の場で「行政長官は中央政府と香港市民という二人の主人に仕えなければならない」と板挟みの苦しさを吐露した。市民の多くは返還後も民主化が進まず、政治、経済両面で中国の影響力が強まったことで香港の将来に危機感を持っている。
林鄭氏が香港市民の側に軸足を置かなければ香港に「高度な自治」を認めたはずの「1国2制度」の信頼を回復するのは難しい。
中国政府は香港に隣接した広東省深圳で武装警察の訓練を公開するなどの圧力を強めているが、威嚇は反発を生むだけだ。むしろ香港の意思を尊重し、「高度な自治」に任せる度量を示すべきだ。そうでなければ、香港の将来を握る若者たちの離反が続くだろう。
10月1日には中国が建国70周年を迎える。混乱収拾には林鄭氏が民主派や学生らの声に耳を傾け、妥協点を探る努力を示す必要がある。デモ隊の側も「平和的、理性的、非暴力」という方針を堅持してほしい。中国政府に介入の口実を与えるべきではない。(毎日新聞社説2019年9月6日)

「うさぎとかめ」の真実

なぜかめは うさぎを起こさなかったのか
先週の宿題 出来ました?
(忙しくて そんな愚問を考える暇はない) 
(そうですとも たわいない幼児の“はてな”ですから)
でも どう言いふくめますか
(大人のずるさが 問われるところですが)

かめは うさぎが寝ていることには 全く気づかずに 通り過ぎた
(これが一番無難な回答 だから起こさなかったの)
かめは 相手のことなど考える余裕もなく 脇目も振らず歩いた
(そもそも うさぎが寝てるなんて 想像もしないですよね)
かめは 負けるとわかっていたけど ギブアップするのはいやだった
(うさぎはすでにゴール寸前と思いこみ 意地を通して歩き通しただけ)
かめは 勝たねばならぬ一心で 千載一遇の勝つチャンスを逃すわけにはいかなかった
(寝ているものは起こしてならぬ 賢明な判断 納得です)
かめが うさぎを起こしたら 負けるっしょ
(勝負は勝ってなんぼのもの 決して起こしちゃいけない これ鉄則)

幼児(おさなご)は またも首をかしげた
(どうも説得させるのは難しそう)
かけっこってさ 寝てるうさぎをあいてにして かけっこになるの
(相手は走ってはいない だからこの時点でかけっこは不成立ではないか)
そのまんまにして 勝ってもつまんないよ
(いやいや 競争だからこそ 相手に弱みを見せたら負けるんだよとはいうものの)
かけっこって おもいっきり 走ることだよね
(そうだね そこで相手とどっちが早いか決めるだよね)
かけっこって 早ければいいの?
(そうだよ それが競争ってもんだ わかってるね)
勝つの わかっているかけっこって へんなの  
(おっと鋭い突っ込み その通りだね でもそれじゃお話が…)
そんなの かけっこじゃない! 
(寝たうさぎが油断したばかりに負けたんだから うさぎがおバカだっただけなんだ)
それって 弱いものいじめと おんなじ
(どうして そこにいっちゃうのかな)
うまいことだまして かけっこで勝って えばるって つまんなくない
(自分の力を鼓舞しただけの競争は すでに競争にあらず)
かけっこって 早い子も遅い子も一緒に 思いっきり走るから 楽しい! 
(そのとおり かけっこが楽しいのは 勝ち負けだけじゃない ほんとはそこだよね)
かめさんに起こす勇気があれば きっと楽しくかけっこできたよね
(起こす勇気 現状を変える勇気 卑怯な性根を見透かされた一言です)

うさぎを起こそうというかめは 存在しなかった
うさぎも ただかめをからかってやろうというだけで
ともに かけっこを楽しもうという 思いすらなかった
うさぎが勝ったとしても ゴールインしたかめを ハグしながら 
ともに称(たた)え合う気高さは 思いもつかなかったろう
(9月1日、USOpenテニスで大坂なおみが15歳のココをハグする姿に世界中が感動!)

幼児の “はてな” に 競争社会の本質を突かれた
寝ているやつは 決して起こしてはならない
そいつに勝つためには 卑劣な手段を使ってでも 叩きつぶせ
そうできなければ 一生敗者のまま 終わってしまう
それでいいのか
相手を奈落の底に突き落とし 勝つことだけが求められる 辛辣(しんらつ)な競争社会
お互いにおもいあう 福祉の心を削ぎ落とした 非情な競争社会
自分よりも劣っている者を 容赦なく攻撃する 凄惨(せいさん)な競争社会

勝者は 強者であり正義であると 世間は 賞賛し追従した
敗者は 弱者であり無用であると 世間は 屈辱を与え排斥した
競争社会を 蔓延(まんえん)させた弊害は
健全な福祉社会の形成を 阻害した
福祉の精神的な貧困は 見落とされ
歪(いびつ)な福祉観が 世間で共有された  

熾烈(しれつ)な競争社会に 福祉社会を創造するには
違いを認め 乗り越えて 
ともに 人生というかけっこを 楽しむことにあると
幼子から 共生のありようを 教えられたのだった

 
〔2019年8月30日書き下ろし。日本の福祉の精神的貧困性を幼子の疑問によって解かれた。1990年11月20日「十代のボランティアを育てる指導者セミナー京都」にて、京都一灯園石川洋氏より紹介された幼稚園児のエピソードに学ぶ〕

トウモロコシ

アメリカの農民が トウモロコシをたくさん作った
それを中国に売って 暮らしていたんだ
でもあるとき けんかしちゃってね
トウモロコシが 売れなくなって困ってしまったんだ

そこで けんかを売った張本人が ヒーロー気取りで登場
日本のお友だちに 強引に売りつけたんだ
アメリカの農民が困っているのは 捨て置けないと
外面(そとづら)ばかりに気を遣い 買うことを約束したんだって

どうして275万トンもの飼料用トウモロコシが必要なのか わけわかんない
聞いたら いま日本のトウモロコシが 害虫にやられているから
急いで それを買っておかなきゃいけないって 説明したんだよ
ところが 調べてみたら そんなことはなかったんだって
子どもでもわかるようなうそを 平気でつくこの国の偉い人って
ますます 信用ならないね

一番困ったのは 日本の農家と飼料メーカー
価格が暴落すると 農家や飼料メーカーが 
壊滅的(かいめつてき)な打撃を 受けるんだって心配してた
特に北海道は 全国の半分もつくっているから 余計心配だ
尻ぬぐいは みんな農家や飼料メーカーが することになるんだよ
日本の農業のことを 真剣に考えているのなら 
お友だちに頼まれたからって こんな薄情な仕打ちって できる?

断れない弱みを いつも見せているから 
ここぞとばかりに 無理難題を 平気で押しつけてくる
安保条約で お前の国を守ってやってるんだから 
もっと金を出せって 脅しながらね
だから 高い戦闘機を 6機846億円で買うはめにもなったんだ
それだけじゃない 攻撃性の高い兵器の新規契約5013億円だって
だれが もうけると思う
人殺しの兵器を たくさん作って売っている アメリカの会社
それが お金をたくさん出して 応援しているから 
この人 すっかりテンション上がって トップセールスしてるんだ
でも アメリカの人たちは いつ銃で撃たれるか 心配もしてるんだよ
自分の国の人たちを 銃から守ることもできずに
世界中を不安にさらして 兵器を売り込む 凄腕(すごうで)の死の商人
おぞましいくらい怖い人を お友だちに持つって ほんと勇気がいるね

無理を押しつけるようなつきあい方って そんなの友だちじゃない
相手の弱みにつけ込んで 損得勘定で友だち関係を続けるの 無理無理
普通はそう考えるけれど 似たもの同士なのかな
結構いい感じで 二人並ぶと いつもニコニコしているよ
でもほんとは怖いから 言いたいことも言えないで 我慢してるのかな

どんなふうに言いくるめても 
子どもには おかしいことはおかしいって わかるんだ
だから 日本の国は “アメリカの自治州もどき”って教えた方が 
わかりやすいかも 知れないね

危険な友だちごっこは まだまだ続く
夏が過ぎても 怪談話は エンドレス

〔2019年9月3日書き下ろし。日米の関係は主従関係なのか。主権国家として主張していることとの非整合と、専守防衛という嘘がまかり通る不気味さをいつまで味わうのか〕

二十歳の誕生日

逆らえない 人生の大涛(おおなみ)に 高く帆をあげ いざ出航
変わらぬ目標を ひとり追い求め続ける その気迫に 乾杯
愚直で 純朴な 若き者よ
智慧(ちえ)ある者こそ 幸せに生きよと 命名され
地に両足を 踏ん張って 踏ん張って立ち きょうまで生きてきた
海の青さ 空の青さに染まらず きみらしく 志を高くし いざ出航せよ
さらなる夢への飛躍を期し 夢への覚悟を決めて 果敢に生きよう

二十歳(はたち)を祝う 旅立ちの日 
社会人としての自覚を 強いられる日
夢への挑戦を 改めて決意する日
これからの人生行路は 苦難を乗り越える 生命力が試される
そのとき 
豊かな人間性が 培われることを
逞しい人間力が 鍛えられていくことを
さらに 夢の道が 切り拓かれていくことを
ただただ 老いし身で 祈ろう

〔2019年9月1日書き下ろし。9月7日、初孫が二十歳を迎える。前途多難な道を自ら決定し頑なに歩み続ける勇気ある若者たちへのエールでもある〕

十月 芝居の幕があく

夏も 沖縄 広島 長崎への 顔見せ興行
県知事 市長が 子どもが 平和への切実なおもいを宣言するなか
やること なすこと 1年前とさして変わらず 
日付を上書きしたような 心こもらぬ 台本を
来たくもない 顔を合わせたくもない ところで
しゃべるのも 億劫(おっくう)と 透けて見えるは 正直か
聞くだけ野暮といった風情が 画面越しから漂う式典
参列者は あきらめ顔で つきあった
つきあいきれない者は 見限った
だから いつもこの先に 希望は生まれてこなかった

数が正義とばかりに 不誠実な世界で演じられる ぐだぐだ続くむら芝居 
テレビも新聞も雑誌も 懲りもせずに垂れ流す 民のレベルのスキャンダル
そんな話題に民たちは 身分相応と 乾いた笑いをもらすだけ
 
政治に無関心な 民たち相手の 参議院選挙
どうやら 倦怠(けんたい)戦法が功を奏して またも勝つ
非力な野党を嘲笑(あざわら)い むら芝居の支度に取りかかる
座長は 帯に短し襷(たすき)に長しの役者から キャスティング
藤山寛美いわく 「芝居は人間性」
さてさて どんな人間性がにじみ出てくるやら 
いやいや 人間性という枠から すでに外れてるところの 
滑稽(こっけい)さを 味わおう

十月からの 消費税10%のアップ 
北朝鮮のミサイルへの危機感 なぜか 冷めた夏の日々 
北朝鮮拉致被害者家族のおもいは さらに遠のき 相互不信が積み上がる 
約束反故は当たり前の この世界
韓国のGSOMIA破棄やらで さらなる関係悪化を防ぐには
民の良識と友好な交流を信じ 外交努力を続けることしか 道はない 
北方領土返還は ロシアにおもねるばかりで なんの成果もあげてはいない
5日の日ロ首脳会談 返還なしの未来志向のくだりに 旧島民の落胆は深い 
どんな詭弁(きべん)を弄(ろう)して 外交問題を台本に盛るのか 
米のポンユー(朋友)との貿易交渉 
トウモロコシ以上に 国益を失う いかなる台本が用意されているのか
吉本にあやかる喜劇が 上演される秋の国会劇場
乞うご期待!

歴史が語る悲哀は いつも民がこうむる
民よ 眠ったふりなんて してはいられない
この国と子どもの行く末に 真剣に目を向けよう
知らぬ間に 戦争のできる国に なっているかもしれないよ 
そんなこと あるわけないって 言い切れる?
そう信じている そう信じたい 根拠の薄い信頼性
ほんとに あんたら人がいい だからだまされやすいんだ
彼らは出任せを 信じさせることには 長(た)けている
口車に乗らぬよう 心して いざ観劇鑑賞

オレオレ詐欺は この舞台で上演される十八番(おはこ)の演目
見破れるかどうか そこが楽しむひと押しポイント
政官一丸となって 野党の追撃を鮮やかにかわす
民のいのちと未来を賭ける 迷演技にご注目
横浜に わざわざ誘致しなくても 
すでに賭場(とば)は 国会にあり

前座を務めた タレント気取りの結婚発表
おもてなしの舞台は すでに整った
国会劇場 開演です 拍手喝采!

〔2019年9月5日書き下ろし。横浜のIR誘致問題や近隣国との外交問題、アメリカとの貿易問題など、秋の国会劇場に注目。何がこれから起こるのか、安閑とはしていられない〕

うさぎとかめ

小さい頃に きっと誰かに 読み聞かせてもらった (とは言い切れないが) 
みんなが知ってる (と思う) お伽草子(おとぎぞうし)

うさぎはかめを挑発して 丘までの競争を仕かけた (からかい半分 悪ふざけか)
なぜ のろまなかめが 負けると分かっている競争 (固着観念かも?) に乗ったのか
バカにされるのは かめのプライドが許さなかったから (そのとおり)
それとも 闘争心が かめ一倍強かったから (そこも否定できない)
動機不明のまま (とはいっても うさぎはかめの性格を見抜いてあおり その気にさせたファシリテーターだ)
スタートの号砲 (そんなのあるはずない) が 鳴った
(競技はクロスカントリー 距離不明 この時代はみなそうだった)
うさぎは勢いよく飛び出し 圧倒的に優位に立ち 勝利を確信した
(スタートからつまずいたら お話にならない)
かめは 全力?で 四つ足を ゆったり動かし続けた
(起伏のある道は 厳しい!)
うさぎは 涼しい木陰で 一息ついた
(♫ 大きな栗の木の下で… 牧歌的なワンカット)
うとうとしているうさぎを尻目に かめは丘をめざした
(かめはうさぎなど 眼中になかったかもしれない)

うさぎは しまったと飛び起きて かめを追った
(そのスピードは 青函トンネルを走る 北海道新幹線の如く!)
タッチの差で かめが勝った
(何の根拠もなく 札幌競馬場での鼻の差のほうがリアリティと推理)
かめの快挙に 称賛の声で 丘は埋まった
(観客数は 札幌ドームほどでは きっとない)
うさぎは 慢心を攻められ 赤っ恥をかいた
(悔し涙で 目が赤くなったという異説も)

さて 勝ったかめは 最後まであきらめず 粘り強く 戦い抜いた
(そういうわけではなく ただひたすら歩き続けただけだったとおもうが 周りは勝手に勝者に加担し フェイクもどきを流すイマドキのSNS風戦評記)
負けたうさぎは なんと罵倒(ばとう)されるか 想像に難くない
(体験学習です! どんな汚いことばを投げつけられたのか やってみて)
勝つことだけが求められた上での 惨敗だった
(高慢ちきの奴が負けると 判官贔屓の日本人は 溜飲(りゅういん)を下げるのだ)

このお話を聞き終わった幼児が こう尋ねた
「どうしてかめさんは うさぎさんを起こさなかったの?」
「ううん…? うーん!」

さて あなたなら どう答えますか?

NHK朝ドラ「なつぞら」風に
「なつよ どうする 来週につづく」

※判官贔屓(ほうがんびいき):源義経を薄命な英雄として愛惜し同情したことが転じて、弱者に対する第三者の同情や特別に目をかけ力を添え助けることの意。

〔2019年8月24日書き下ろし。あなたなら、幼児にどのように答えますか? 小さな子どもの疑問は、物事の本質を鋭く突いてきます。私も一緒に Thinking Time Start!〕 

ことば遊び

厚かましさ
うそを真実と さもしく言いつくろい  平気でいる者
取りざたされれば さもしく誤解だと なかったことにする者
自分の発したことばに さもしさを忘れ いつも酔いしれる者

恥知らずさ
恥を感じぬ 鈍感なこころに安住する者
うそをついても 悔いることはありえない者
発したことばの責任を 決して取ろうとはしない者

薄っぺらさ
ことばを発するほどに みすぼらしさをさらけ出す者
ことばを発しても だれにも信じてもらえぬ者
ことばを発した自分を いつも信じられぬ者

悪しきさ
卑しきことばで 憎しみをばらまく者
巧みなことばで 人をおとしめる者
汚いことばで 人を脅し愉快になる者

やさしさ
嘘か誠よりも その者を信じようとする者
裏切られても 信じようとあがきもだえる者
信じ合うこころを 互いに打ち砕き合う者

むなしさ
自分と違うおもいを持つ者の ことばを封じる者
その空気を読み取り 従順に従おうとする者
批判を受け入れず “非国民”の復活を望む者

あわれさ
ことばに宿る “おのれ”という存在を 喪失した者
ことばに込められた “おのれ”の魂を 否定する者
ことばを無力にした “おのれ”の無能を 肯定する者

ことば遊びに飽きて この世を不毛なこころの砂漠へと導く者たち
ことば遊びに飽きて この世を不純なこころの堕落へと導く者たち

自らのことば遊びの浅ましさすら 自覚できぬ者たちが
精神世界の 破壊者を気取る

〔2019年8月21日書き下ろし。現代社会のことばの空虚さへの警鐘。非難中傷そして恐喝のことばで社会不安を引き起こす匿名者たち、政治家たちのひけらかす空手形のことば。なんと有害な“雑音”が充満している人間世界なのか〕

群来(くき)

この春 ニシンの大群が 
日本海オロロンライン(最北の稚内市から小樽市近郊までの沿岸線)に戻ってきた
海は 産卵に合わせた 大量の雄の精子が一斉に放たれ 白く濁った
「群来」が 出現したのだ
かつて 鰊御殿(にしんごてん)が 隆盛を誇り 浜は群来で活気づいた
そして 廃(すた)れ 語りぐさとなった
今春 ニシンの大群が 浜にやってきたのだ

海がしけると 漁には出られず
豊漁だと 値崩れを起こす
稚内で 漁師が ただで 鰊を近所に配った
油代にもならない 大漁の厄(わざわい)だった

釧路では サンマが不漁の夏だった
海流の異変がもたらす 漁業への影響は 
如実に 漁民の暮らしを 脅(おびや)かす
異変は 常態化する
豊漁は もう手中にするには ほど遠い過去となった

地球温暖化による天候の異変と 
南米の大規模な森林火災 開発による環境破壊
核ミサイル実験 失敗を隠蔽するロシア
食い止めねばならない堰(せき)を 
独善的な指導者らによって 破堤(はてい)された
言いたい放題 やりたい放題の輩を 咎(とが)める手立てもなく 
溷濁(こんだく)した世界に
無能な指導者が 輩化(やからか)する

異常事態が 常態化する恐怖が 
世界を 震撼(しんかん)させる日は 近い

〔2019年8月27日書き下ろし。黒潮の大蛇行は漁獲不振だけではなく、天候異変の脅威と化す。世界のリーダらは核兵器の開発にいまだ血眼になっている。現実を傍観する無能な者たちで占められていることこそ、人類滅亡の兆しである〕

付記
NHKBS1「国際報道2019」南米アマゾン・森林火災・収束目処立たず
南米アマゾンの森林火災を消火するため、ブラジルのボルソナロ大統領が軍など最大4万4000人を投入し、1回で1万2000リットルの水が撒ける消防用航空機などを投入して消火活動に当たっているが、収束の目処は立っていない。
ブラジルの国立宇宙研究所によると、今年今月25日までに、7万9000件の森林火災が発生し、去年と同じ時期の2倍近くに増えている。
ブラジルではこの時期、家畜の放牧地を広げる為に違法に森林火災を起こしていたが、今年は干ばつの影響などで火災が燃え広がっている。軍の関係者が厳しく監視するとしている。しかし広大な範囲で多数の火災が発生しているだけに、軍の派遣の効果には懐疑的な声も上がっている。(2019年8月26日)