阪野 貢 のすべての投稿

原油の高騰と北の暮らし

すでに部屋は肌寒い
明日はもっと気温が下がる
腰にホッカロンをあてて暖を取る
寒さしのぎに厚手のハーフコートを羽織る
膝掛けは常備の必需品だ
ストーブを焚くにはまだ早い
今冬は自衛を余儀なくされる

寒さは防ぎようがない
札幌の一年の寒暖の差は50度以上にもなる
最も寒く感じるのは初雪の降る頃から12月初めまでか
徐々に身体が寒さに順応するまで我慢比べが始まる
老いゆく身には暑さも寒さも懐にしみる

これから3月までの灯油代の高騰は家計に痛い
今冬はより節約せねばならなくなった
原油は下がる気配が全くない
暖房器具は多くの電気を喰う
足下を温める温風機も納戸に置かれたままだ
暮らしのリズムも早寝遅起きにするしかないか
布団の中が一番の生活が合っているのかも知れない

要は机にへばりつく時間を減らすこと
12月までには執筆中の仕事もケリが付く
多少灯油代がかかっても良しとしよう
身体を芯から暖めるには…酒しかない
これは節約節制できない命の水
心していただくことにいたしましょう

〔2021年10月18日書き下ろし。灯油は北の暮らしを左右する。厳しい暮らしを強いられる方々への支援を厚くしてほしい。かじかんだ子どもの手を見られますか〕

付記
ガソリン高騰道内160円台 観光や物流、回復に冷や水
道内のガソリンが平均で1リットル160円台、軽油が140円台と高騰し、緊急事態宣言の解除でようやく動き始めた観光・物流業界の足かせになっている。15日には道の旅行助成事業「新しい旅のスタイル」が再開されるなど、人や物の動きの回復が期待されるだけに関係者は頭を抱えている。(北海道新聞2021年10月16日)

灯油は、指標となるコープさっぽろの配達価格で1リットル96円(札幌地区)と前年同期より19円高い。灯油は一段と値上がりする恐れがある。高齢者や低所得世帯を対象に購入費を助成する「福祉灯油」の拡充が求められる。(北海道新聞2021年10月16日社説一部抜粋)

劣悪なトイレ

市内の大学にある障がい者が利用する仕様のトイレ
いままで見たなかで最も適当かつ劣悪な仕様だった
誰が設計したのか恥さらしの仕様だった

車いすユーザーが入った
ヘルプの声がしてなかに入った
まずその狭さに驚いた
車いすでは方向転換ができない
ましてや便座のそばまで自力で車いすを移動できない
便座を金属棒が柵のように取り囲む
それを伝わって歩いて辿り着かす仕様だ
車いすを便座の前に置いて移乗するには柵の隙間を通るしかない
その関門に苦戦した結果のヘルプだった
手回しのハンドルを使うことのできない関門をギリギリ通過する
電動車いすではきっと無理だろう
次に便座に移乗するための介助に苦労する
金属棒と便座の狭い空間では腰を曲げることすらできないのだ
ようやく落ち着いたので外で待機する

大きな声が上がった
ドアを開けると金属棒が頭に乗っかっていた
左横にあった棒を握った瞬間倒れてきたという
なぜそんなことが起こったのか
棒は右の柵に横がけにして上体が前屈みにならぬよう補助するものだった
彼の震える左手が棒にかかれば簡単に落ちてくる
そんな仕組みを知らぬまま握ってしまったことで悲劇が起きた
何か異変が起こるかと心配した
後頭部にたんこぶができたと翌日メールで知らされた
そもそもこんな具合に設備されているところは見たことがない

終わると車いすに移乗させて関門を出る
次に手を洗う洗面台が笑える
車いすが下に入れず手を伸ばしても蛇口に届かないのだ
名ばかりのトイレ仕様に呆れかえった
大学でユニバーサルデザインを考えるきっかけをもらった
彼の痛みの代償に折角用意された劣悪トイレを教材にする
問題を提起したときの学生の反響を楽しみにしたい

〔2021年10月16日書き下ろし。車いすユーザーが使用するトイレの概念が根こそぎ崩された。身近な教材を活用して学生との学びを深めたい〕

神父からのメール

合点がいった
メールアドレスを教えてほしいという依頼があった
大学教員の友人を通してシスターからだった
昨日旧知の神父からメールがあった
大学のHPで検索したら名前を見つけたという
そこで連絡を取りたいと依頼したのだろう

メールを見て驚いた
すぐに書かれてあった携帯に電話した
別れて十年は過ぎていた
我が人生の試練の時に立ち会った神父とは
想い出したくないことをたくさん共有していた
なぜか声が聞きたくて電話をすると
「この番号はただいま使われていません」
これで完全につながりが切れてしまった
そう思っていた矢先のことだった

札幌に一時戻ってきて教会の仕事を担っている
関係するマチや施設にも頻繁に通っているという
知人とのつながりも判明して嬉しくなった
互いに現状を語りながら話は尽きることなく弾んだ
再会の約束をした

若い彼から学ぶことも多かった
人生の大きな節目で出会った彼とのつながりは
これからも切れることなく続いてゆくだろう
人は会うべきして会うのだと縁の深さを知らされた
札幌市内の飲食店への時短要請が14日で終了した
まずは市内の感染の動向に注視しながら
二人で美味い酒を酌み交わしこれからを語り合いたい

〔2021年10月16日書き下ろし。心にかけてくれた神父との再会に心躍る〕

負ける原因

華やかにスポットライトを浴びるが如く
今年のドラフト会議は終わった
即戦力として高く評価された高校生球児
伸びしろがあると判断された高校生球児
基本からガッチリ鍛えられプロの道に挑む

ペナントレースの最中にプロの非情を垣間見る季節が巡る
ファンは日本シリーズへと続く熱戦を期して応援を続ける
贔屓(ひいき)のチームや選手への熱狂的なファンは根性がいる
そのチームのなかで真っ黒に日焼けしながら白球を追う者への
ささやかなエールと期待もきっとあったに違いない
期待されながらもユニフォームを脱がされる者たち
育成の選手の年俸はスター選手の雀の涙にもならない
厳しい練習に耐えた数年間が無駄にならぬよう祈りたい

抜きん出て若手の育成に力のないチームを見つけた
内野手(21=18年5位)→戦力外通告
投手(26=16年育成3位)→戦力外通告
投手(22=17年育成4位)→戦力外通告
投手(21=18年育成2位)→戦力外通告
外野手(23=19年育成2位)→戦力外通告
投手(25=16年3位)→自由契約通達→育成再契約へ
投手(23=15年3位)→自由契約通達→育成再契約へ
投手(20=19年1位)→自由契約通達→育成再契約へ
内野手(21=18年育成4位)→自由契約通達→育成再契約へ
外野手(21=18年育成1位)→自由契約通達→育成再契約へ

なかにはドラフトで1位指名しながら2年で自由契約となる
スカウトの見る眼のなさなのか
現場の指導力のなさなの
本人の実力の有無を早めに判断した結果なのか
ド素人には何もわからない
ただ若者たちが憧れのユニフォームを着て
スタメンを夢見た日は訪れることはなかった
日ハムの太田泰示選手のように移籍で甦ったスラッガーもいる

チームはリーグ優勝から早々に脱落した
今季多くの熱狂的なファンを失望させたに違いない
その敗因は何か
フロントや現場の指導者の若い選手への熱意を感じない
球団はそもそも若手の育成に本気で取り組んできたのか?
人気と金にものを言わせて若い選手をかき集めたものの
育成システムの欠陥を認識できぬ指導層の問題なのか?

どこの世界も次代を担う人材を育成できなければ衰退するばかりだ
まさに政治の世界の人材不足は国の衰退を約束する
だから政治の世界の戦力外通告が待ち遠しい
10月31日衆議院議員選挙に行こう!

〔2021年10月16日書き下ろし。ドラフト会議の後に球界から去る若者たちの姿が目に浮かんだ。次への人生トライにエールを贈りたい〕

団塊の世代の介護に備えを

団塊の世代
戦後の経済を動かし豊かにした
稼ぎは自家用車となり持ち家となった
結婚率も高かった
子どもの教育にも熱心だった

熾烈な競争化時代を生き抜いた戦士たち
現役を引退し老いとの戦いに挑む
夫婦が人生をかけて快適な空間にした家
夫婦で共に支え合い老いながらえる家
夫婦で病み暮らす時にはリフォームも厭わない
介護用ベッドの導入を想定して部屋を直す
最期の願いは在宅死しかない
だから看護と介護の在宅ケアは必然となる

団塊の世代の生き方
快適な生活を送ることを優先した
消費社会を先導し国内需要を高め生産力に貢献した
電化製品は最新のものにすぐ手を出した
車の買い換えも積極的だった
パソコンはお手のもので情報化社会の先端を走った
仕事も遊びも旅行もエンジョイした
トイレのウォシュレットは当たり前だった
今夏の異常な暑さでクーラー需要はさらに増す

果たして在宅で最期を迎えられない人も出てくる
老人施設は団塊の世代を受け入れる準備をすでに始めていた
介護保険制度が始まり個室化はそのための環境整備だった
問題は快適な自宅から出されて施設に入ることへの抵抗だ
自分の意思で入所することはまずない
家族の意向が優先する

クーラーもないウォシュレットもついてない
道内の介護施設の多くはそこまで完備されていない
認知症を患っていても五感で快適さを実感する
寝たきりになっても五感で暮らしを実感する
時代を変えてきた団塊の世代が入所し始めると
介護施設の働く環境も大きく改善される
団塊の世代はクオリティオブライフの物差しで評価する
選ばれる施設になるためにも備えを怠ってはならない
いまから準備しなければ間に合わなくなるだろう
措置から契約への施設経営の根幹が問われている

〔2021年10月15日書き下ろし。昨夜施設職員を10人集めた座談会を参観した。クーラーとウォシュレットが話題になった。団塊の世代には深刻なQOL問題となる〕

つながりを結び直す

1通の封書が届いた
20数年前出会った社協ウーマン
新人の頃セミナーで出会ったという

その後つながることはなかった
ボランティア研修会で再会した
当時を覚えていたことが嬉しかった

小さなマチで地域福祉の推進に悩んでいる
マチ特有のしがらみがやりにくさとなる
事業を支える人材はどんどん高齢化する

自分は何をしていけばよいのか
社協は何をしなければならないのか
日々悩みながら孤軍奮闘する

福祉のマンパワーも小さな社協
現状維持すら難しくなる社協
難問を抱えてたじろぐ社協

難しいことや大したことはできない
少しでも不安な方や困っている人に寄り添いたい
地域に必要とされる社協でありたい

小さなマチに福祉の人が生きる
求めてはじめて動き出す
つながりの結び直しが始まる

いまの取り組みに支援ができれば
いまのおもいに肉付けができれば
これからのあり方に道筋ができれば

手紙にはこう結ばれていた
「北海道にいらっしゃることがわかり心強いです」

〔2021年10月14日書き下ろし。道内でも同じような状況で小さな社協が孤軍奮闘する。再会がつながりの結び直しを促す〕

ONLINE授業の妙

ONLINEで初めて授業をした
ボランティアについて論じる
机上の大型モニターに映る学生
表情の変化が手に取るようにわかる

マンツーマンの質疑応答形式
回答にうなずく他の学生
同意の表情やサインを送ってくれる
教室でこれだけ至近距離での授業はできない

顔出しは個々の学生の裁量だ
黒い画面に向かって話すこともあるという
今日はみんな顔を出してくれた
画面の下に表記された名前を呼ぶ
親近感が増してゲストにはとても嬉しい

今日は顔見せで胸襟を開くことを目指した
さわりは小中高でのボランティア体験を発表する
さらに学生がボランティアをしない理由を問う
まとめは未熟なボランティア観のいまを考える

奉仕やボランティアの本質を学ぶことなく大人になった
ボランティアに興味を持つ学生たちは稀な存在
生涯きっとこの講座でしか学び得ない最後の機会となる
ふりかえりで一人ひとり課題を見つけたようだ
表情と声の張りからモチベーションが刺激される
画面越しにみんなで確かめ合った授業となった

2年ぶりの学生とのやりとりにワクワクした
次回は1ヶ月後首を長くして待つことにしよう
活動体験から学び得たエッセンスを楽しく聞き出そう
ONLINEでの授業は教室では味わえない妙を強く感じた

〔2021年10月12日書き下ろし。ゲストでも授業は楽しい。ONLINEで学生の表情が変わっていくのも楽しい。その一方でコミュニケーションのあり方を学んでいく〕

団塊の世代の動向に注視せよ

菅義偉内閣には期待も大きかった
団塊の世代は時代の匂いを嗅ぎ取った
しかし期待は裏切られ惨めに破られた
団塊の世代は支える力はあってもトップにはなれない
そのジンクスを覆すことはできなかった

岸田内閣への支持率も各種世論調査で分かれる
NHKの結果は興味をそそった
支持率49%を世代別に見ると50%前後でしかない
さらに60歳以上を見ると49%と管内閣よりも15%もダウンする
高齢者は自民党の盤石の支持層だった
選挙に足繁く通い保守政権を固守した
老人福祉の施しへの感謝に他ならない

団塊の世代が高齢層を形成する時代が来た
年金は現役の時に高齢者を支えた自負がある
介護保険も制度の導入時から徴収され続けている
だから期待よりも成果を強く要求する
消費者意識の高い世代が政治を左右する

果たして現役世代はそれでいいのかと問おう
若者は寝ていろという名言を吐いた政治家は正しい
彼らが投票しなければ老人たちで政治が決まる
これが今までの保守政治の選挙のからくりだった
団塊の世代に高齢者の席は譲ってもいい
国の命運は現役世代と子どもらの未来がかかる
次世代の君たちの1票で国を変えられるのだ

今日の所信表明演説に関わる代表質問も応答もつまらなかった
総裁選の演説からトーンダウンするのは必然だった
安倍・菅の継承はもってのほかと世論は警鐘を鳴らす
下手な言い訳せずに具現化できるか勝負するしか道はない
やれるんならやって見ろというだけのことでしかない
それだけの気概と矜持を見なければ民心は納得できずさらに離れる
団塊の世代もまだ終活には早すぎる
政治に翻弄された青春時代のケジメをいまこそつけよう

〔2021年10月11日書き下ろし。野党も支持率は劇的に上昇しないのは承知だろう。人気ではない。遠声なら団塊の世代の私にも出せる〕

付記
内閣支持49%、不支持24%(NHK世論調査・衆院選トレンド調査3週前)
NHKの世論調査によりますと、先週発足した岸田内閣を「支持する」と答えた人は49%「支持しない」と答えた人は24%でした。内閣発足時の支持率としては、去年9月の菅内閣の時に比べて10ポイントあまり低くなりました。岸田内閣発足時の支持率を去年9月に菅内閣が発足したときと支持政党別で比較してみます。
自民支持層の支持率は、菅内閣では85%だったのに対し、岸田内閣では73%でした。
また、支持なし層の支持率は、菅内閣では50%でしたが、岸田内閣では34%でいずれも岸田内閣が10ポイント以上下回っています。
年代別で見ますと、菅内閣の時はすべての年代で支持率が60%台でしたが、岸田内閣では、30代までが51%、40代・50代が53%、60歳以上が49%となっていていずれも50%前後となっています。

個人商店と掛け売り

個人商店が生き残りをかけて勝負する
個人商店でこそできるサービスを売り出そう
個人商店の強みは顧客の顔見て商いできる
個人商店も通りを埋めれば賑わいを呼ぶ
個人商店を若者が後継すれば息を吹き返す

呼び込みの声が寂びたシャッター街に響く
呼び込みの声はリップサービスだと見抜かれた
個人商店の持ち味はなぜか封じられてしまった
商店街を盛り上げる会合すらなくなった
古株の店主が虚勢を張って仕切っていた
後継者を育てぬゆえに誰も見向きもしなくなった

顧客に選ばれるには心にギフトを届けねばならない
顧客を惹きつける魅力がなければ店を畳むしかない
顧客に愛想を尽かされぬよう情感に訴えるしかない
顧客と対面販売は品物以上に信用しか売り物はない

商店街の再生は店主たちの沽券に関わる
このとき間違ってはならないただ一つ
掛け売りは顧客が店にすると心得るべし

〔2021年10月11日書き下ろし。立憲は勝ち目を自ら放棄する。縛りをかけて議員を牽制する。無党派はさらに距離を置く。今日午後国会で岸田首相の所信表明演説に対する代表質問が始まる〕

曖昧な空気が流れるいま

おかしな空気が流れている
コロナは原因もわからぬまま急速に感染力を低下させた
札幌は鈍化しながらも減少傾向にある
ただこの曖昧な空気の中で居づらさを感じている

おかしな空気に流れていく
岸田首相が物言えば言うほど焦点がボケる
支持率は高くなくとも党の支持率は上がる
何の期待も湧かぬ政権は動き始めた
なぜかこの曖昧な空気はどんよりと曇りだす

おかしな空気に汚されていく
マスク越しに息苦しさが強まった
善悪を判別できない世界に放り込まれた気分だ
声を上げるにもその矛先が鈍り出鼻をくじかれる
この曖昧な空気は放って置くしかないのか

おかしな空気は静かに心を浸す
考えることが面倒くさくなり投げ出す
動くことがしんどくなり怠け呆ける
為すべきことがどれもつまらなくなる
この曖昧な自分に腹を立てることすらない

いま曖昧な空気が世間に広がってゆく
判然としないつかみどころのない空気
コロナよりも恐ろしい不気味な空気
自己喪失を促す不穏な空気

何という無防備
拒むこともできぬ
逆らう気力すら無となる
漫然と受容するのみか

己の心に風穴を開けて
存在理由を見出すためには
あがきだけは手放してはならぬ

〔2021年10月10日書き下ろし。いま世間に流れるつかみどころのない曖昧な空気に不安をつのらす自分を見ている〕