阪野 貢 のすべての投稿

不退転の決意

道はたくさんあったのに
いまじゃどういうわけか
八方ふさがり

方法はいくらでもあったのに
いまじゃどういうことか
片手に余る

つまらぬ意地を張ったがために
いまじゃどん底なにもかも
思うままには事は進まず

つまらぬことに頓着したがために
いまじゃドン引きなにもかも
失地回復にはほど遠い

たいしたもんだと自慢したのに
いまじゃタダの老いたる身の上
優柔不断な態度が後を引く

たいしたことだといまさら気づく
いまじゃ誰も信用おけず
コロナの誤算が破滅を招く

おおいに五輪に現(うつつ)を抜かし
いまじゃ大感染の反撃喰らう
快挙虚しく想い出で苦(にが)し

おおいに覚悟を吹聴したが
いまじゃ不退転の決意も乏しく
その座に汲々とする姿哀れなり

目先を変えても効果なし
いまじゃ言うことなすこと信用されぬ
退(しりぞ)くことこそ賢明な道か

民心離れて退陣迫る
いまじゃ老害のるつぼと化した政界は
黄昏(たそがれ)た道連れ多く寂しさ紛れる

〔2021年8月19日書き下ろし。有効な対策を打ち出せず、漫然と追加や延長を繰り返す政府の無責任さは、パラオリでまた再燃する〕

カブール陥落

15日 アフガニスタン政権が崩壊した
反政府武装勢力タリバンは 首都カブールを奪還した
異教徒を敵視する 過激なイスラム原理主義の武装集団は
米軍が撤退を宣言したわずか4ヶ月で アフガニスタン全土を掌握した
米国のアフガン介入は 莫大な金と人命を失い失敗に終わった
戦争は 撤退が最も危険であることをまたもや繰り返した

ベトナム戦争のサイゴン陥落を 彷彿させる映像に見入った
カブールの国際空港に 国外脱出を図ろうと数千人が殺到した
離陸直前の米軍機に駆け込み 中東カタールに脱出した人もいた
離陸直前の機体にしがみつく人や 離陸後機体から振り落とされた人もいた
恐怖が迫り死に物狂いで脱出を試みる凄惨な事態は SNSで世界に拡散した

タリバンは家を焼き払い 婦女子への暴行を加え進軍してきたという
何十万人とも見込まれる難民は 一体どこに逃げていくのだろうか
山岳地帯のアフガンの民は ボートピープルにはなれない
多くの辛酸を嘗めてきた民は 他国の支配や宗教に翻弄され
いままた 砂埃の中で行き場を失う
タリバンの新たな集団殺戮が 始まる予感がする
逃げ惑う子どもの涙が乾いた後には
その子にいったいどんな運命が待っているか

カブールの壁に描かれた中村哲氏の肖像に添えられた言葉
「大地に優しさや愛の種をまくのはいいが問題の種をまいてはいけない」
不毛な大地に緑を甦らせた男は 人間への限りない愛と国土再興の夢を描いた
その夢を打ち砕き殺したのは 紛れもなくタリバンなのだ
人間はどこまで残酷非道になれるのだろうか
タリバンに与する者たちが いま問われる
「人間らしさはどこからくるのか?」

〔2021年8月18日書き下ろし。隣国パキスタンも大きな影響を受けるであろう。中国、ロシアが触手を伸ばす。不気味に血糊の風が吹く〕

足し算引き算の世界

この世は足し算引き算の世界です
算盤持って ねがいましては
アベ引くスガは プラス3なり
嘘が上手い
駆け引きが上手い
逃げ足が速い

アベ引くスガは プラマイゼロなり
世論に疎い
ブレーンがアホっぽい
コロナで終わる

コイケ引くスガは プラス3なり
口が達者で受けがいい
ノー原稿でも会見こなす
カメラ目線で訴える

コイケ足すスガは プラス3なり
五輪開催勲章もらう
頑固な人柄信念通す
はぐらかし方は絶品

スガ足す閣僚は プラス3なり
五輪成功自画自賛
目立ちたがり屋の自信家ばかり
思いつくまま恐れぬ失敗

スガ引く閣僚は マイナス3なり
足の引っ張り合いで制御不能
虚栄心と慢心の集合体
世間をあざむくあざといコメント光る

スガ引く党派は マイナス3なり
選挙の顔にはご遠慮願う
失政を庇いきれずに狼狽(うろた)える
出たとこ勝負に賭ける気力も消え失せる

スガ引く野党 計算不能
スガの失策得点ならず 不評買うだけマイナスポイント
政治不信をさらに広げて 野党支持率低迷する
やる事なす事 政権優位は揺るがず負け戦さ

よもや忘れもしない1年前 
60%台の支持率が いまは30%前後で低迷
ようやく1年アベのリリーフ勤め上げ
よくも1年持ったと評価され
よくまあ1年持ったと呆れられ
よくぞ1年我慢したかと部下思う

プラスには決してならぬ負の遺産
マイナスを抱えて終わる政権末期
思考力限界 政策能力不全 不信増幅
勘定合わぬ役目は 身の丈を超えた
覚悟なき覚悟のメッキすでに剥げ落ち
後は退陣の刻を待つ

評価をプラスに逆転するには
パラリンピックを中止にするしか手はない
そんな算盤勘定できないがゆえに
いまがある

〔2021年8月16日書き下ろし。算盤は持ったが論語は無用の政権だった〕

欲ばりません勝つまでは

欲ばりません 勝つまでは
帰省も旅行も 諦めろ
買物はするな 買いだめろ
家で黙って テレビでも見てろ
コロナ戦に勝つまで 我慢しろ

権利を捨てても 義務は捨てるな
個人の権利なんか どうでもいい
罹れば 家でおとなしくしてな
言われたとおり してればいい
逆らうなんて 許されない
義務を果たさなければ 非国民だ

醒(さ)めよ国民 今は非常時
すげえヤバいと 分かっているのか
お前のそばで ウイルス笑う
お前の一挙手一投足が 感染広げる
口先よりも 態度で示せ

締(し)めよ一億 心の手綱
守れ日の本 一致団結するしか道はない
ごたごた言わずに 黙ってついてこい
いまは危険水域 心の手綱を強く締めよ
バカするやつは 決して許さぬ

敵より怖い 心の弛(ゆる)み
弛んだ心を 引き締めよ
コロナは そこに見事に付け込む
大丈夫なんてあり得ない
俺を見ろ 五輪で浮上が沈下の誤算
楽観しすぎて 墓穴を掘った

家庭は 小さな大政翼賛会
家族一丸 協力し合え
在宅療養こそ 家族の責任
保健所に 連絡できない入院できない
ばさまの介護と ダブルケアに打ち手なし
順番来るまで 悪化しても我慢せよ

まだまだ足りない 辛抱努力
義務も果たせず 文句は垂れるな
ワクチン回るまで もう一息だ
家から出なきゃ リスクは下がる
頼れるのは己だけ 余計に罹らぬよう努力せよ

任務は重く 命は軽い
チマチマした一人ひとりの命より
国のやるべき任務は重い
IOCとの約束は 反故にはできない
パラリンピックは 中止はしない
感染は五輪のせいだって 
科学的証拠を示してみろ

この一戦 何が何でもやりぬくぞ
倦(う)む心 弛む心を 狙(ねら)う敵
最後の覚悟のコロナ戦 失敗恐れず戦い抜くぞ
戦意高揚 生活統制 精神動員
進め一億 火の玉だ
身を捨ててこそ 国興る
科学戦にも 神を出せ
撃滅へ 一億怒涛(どよう)の体当たり

〔2021年8月16日書き下ろし。戦時中の標語はいまも脈々と政治家のモチベーションとして生き迫ってくる〕

敗戦後76年夏コロナ戦時体制を読む

戦前・戦中生まれは 全人口の7人に1人に減った
戦争を経験した旧軍人は 1万人を割り込む
戦時の記憶は 忘却の彼方に遠ざかる

今夏のコロナの爆発的感染拡大とオリンピックの強行開催は
いのちを軽視して妄想にふけた 政治の過失による災禍となった
感染者急増地域で入院対象をリスクの高い患者に限定し
それ以外は自宅療養を打ち出した謀策は 炎上した
ワクチン接種に賭けた思惑は 見事に外れた
楽観的見通しが惨禍を招き 失敗した時の対策は尽きていた
唐突な「酸素ステーション」の設置など 焼け石に水でしかない
事は安倍晋三の不見識と愚かな采配の象徴「アベマスク」から始まった
危機的状況を読み間違え 医療体制のひっ迫を想像できず放置した
平時のペースでのワクチンの承認作業で 接種を遅らせた
国内のワクチン開発を放置し 疫病対策の弱点を浮き彫りにした
事業者への協力金や生活困窮者への支援金は出し惜しみする
重大な局面では 政治主導を打ち出しながら統治能力はなかった
議員の座に拘泥するだけの 政権与党の最後のあがきは
パラリンピック開催へと 都知事小池も舵を切る

コロナ禍は 奇しくも戦時体制を彷彿させた
国権の最高機関である国会は 戦時下同様空洞化が進む
中止の声はかき消され 反日のレッテルを貼られた
コロナとの戦いに勝った証の五輪は幻想だった
幻想を抱かせることにひたすら突っ走り 失敗を上書きする
五輪に固執することで すべては後手に回った
戦意高揚 生活統制 精神動員
国家総動員法もどきの旧態依然とした
政治理念なき戦時国家体制が出来上がっていた

いのちを最優先するどころか「難死」をも前提とした国家は
15日全国戦没者追悼式で 首相が臆面もなく式辞を述べる
「積極的平和主義の旗の下、国際社会と力を合わせながら、
世界が直面する様々な課題の解決に、全力で取り組んでまいります」

戦没者のご冥福を祈りながら わが心に命ずる 
いまだ懲りない者たちの 民主主義を否定する専制体制にピリオドを打ちたい
戦後生まれの老害支配に抗う 批判的な行動力を若き世代に切に求めたい

〔2021年8月15日書き下ろし。靖国に参拝する国家支配者たちは何を祈るのか〕

付記
姜尚中氏がコロナ自宅療養の“冷酷さ”に疑問「病院で死ねないというのは先進国なのか」
政治学者の姜尚中氏が15日、「サンデーモーニング」(TBS系)に出演し、新型コロナウイルスの自宅療養について危機感を示した。
番組では現在、問題となっている新型コロナウイルス感染者の自宅療養における容態急変の不安を取り上げた。
姜尚中氏は「日本は世界に誇る皆保険制度を持ってるわけですよね。それから一人あたりの病床数も世界トップクラス。何なんだろうね、この奇妙な冷酷さ」と切り出した。
 続けて「例えば戦争中、満州で疎開した人を、そのまま放り投げて後は自分の努力で何とかしろと。なにか冷たさというのはかつて小田実が『難死』って言ったんだけど。なんかこう虫けらみたいにあとはどうぞという」と厳しい例えを持ち出した。
「だから今やるべきことは例えば応急病院に仮設のプレハブを作って、そしてそこに医療資源を張り付かせてですね。これは自宅療養ではなくて、そこに来てもらう。そしてシームレスに今度は病院に運んで行く。そういうことが1年半できたはずなんですよね。7000人もオリパラに医療資源を一挙に使うぐらいならできるはず。予備費で1兆円以上でしょ。これは何をやってるんだろう。病院で死ねないというのは、先進国なのかどうかですね」と話した。(東スポWeb2021年8月15日)

老爺心お節介情報/第29号(2021年8月15日)

「老爺心お節介情報」第29号

〇新型コロナウイルスの感染急拡大の上に、酷暑、豪雨と日本は、地球はどうなったのでしょうか。
〇残念ながら、日本地域福祉研究所の第26回地域福祉実践研究セミナーin花巻は、岩手県、花巻市が新型コロナウイルスの状況がステージⅣになったことから中止になりました。足掛け4年に亘り準備してきてくださった花巻市社会福祉協議会の皆様の無念さを思うとなんとも辛いです。この間の準備に、心より感謝とお礼を申し上げます。
〇今後とも、花巻市社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーク実践が豊かに展開されることを祈念すると同時に、機会があればいろいろお手伝いしたいと思います。
〇「老爺心お節介情報」29号は、その花巻市でのセミナーで、紹介しようと思った「福祉でまちづくり」の農村型原型に関するレジュメとシルバー産業新聞連載の8月分の拙稿です。
〇もう一つの情報は、福祉教育・ボランティア学習に関心のある人の必見の論稿です。その文献を紹介しておきます。
(2021年8月15日、平和を祈念して)

Ⅰ 「福祉でまちづくり」の農村型原型――地域福祉実践の一つの原点

※松田甚次郎著『津に叫ぶ』は、既に著作権が切れており、PDFでダウンロードできるようです。是非、読んでください。花巻市社会福祉協議会地域福祉課の根子裕司課長がダウンロードしてくれました。
(根子課長より)
参考までに、資料データをギガファイル便にアップいたしました。データ容量が20MBで、メールに添付できませんでした。
アドレスはつぎのとおりです。https://xgf.nu/8Ek4

「福祉でまちづくり」の農村型原型――地域福祉実践の一つの原点

1 井上 亀五郎『農民の社会教育』1902(明治35)年
農村社会の改良拠点としての公会堂――公談場、共同遊戯場、共同宴会場、展覧会
場
2 横井 時敬『模範農村』1907(明治40)年
公会堂――レストラン、風呂、図書館、遊技場
※東京大学教授、東京農業大学の共同創設者(榎本武揚)
3 島木健作『生活の探求』初版1937(昭和12)年6月
『続 生活の探求』初版1938年(昭和13)年6月
※香川県三木町で農民組合の書記、転向後作家生活――川端康成、林房雄と交友
4 松田甚次郎『土に叫ぶ』初版1938(昭和13)年5月、羽田書店
『続 土に叫ぶ』初版1942(昭和17)年

#1 松田甚次郎(1909年~1943年)、山形県稲舟村鳥越(現新庄市)で出生、盛岡高等農林学校卒業、宮沢賢治に師事
#2 鳥越隣保館を設置(1933(昭和8)年起工、1937(昭和12)年落成)
#3 農繁期共同保育所、出産相扶会、共同浴場、最上共慟村塾等を組織化――山形県社会課社会事業主事永田誠氏(社会事業主事補 大正15年~昭和7年、社会事業主事 昭和13年~14年)が支援。
#4 農村劇36回上演
#5 『土に叫ぶ』の出版社、羽田書店は元総理大臣羽田孜氏の父親で衆議院議員
羽田武嗣朗氏が社長。

(参考文献)
大橋謙策著「戦後地域福祉実践の系譜と社会福祉協議会の性格及び実践課題」
(『地域福祉史序説』日本地域福祉学会編、中央法規、1993年所収)

(2021年8月1日記)

Ⅱ シルバー産業新聞連載第8回

「地域福祉に必要なシステムづくりと地域包括支援センターの原型」

筆者は、1960年代末から、社会福祉学の中でも地域福祉に関する実践的研究を行ってきた。従来の社会福祉実践が「福祉六法体制」と呼ばれるように“縦割り“的に社会福祉法制の枠内でのみ行われ、かつサービスを必要としている人が法制度が定めたサービス利用要件に該当するかどうかを判定するシステムであったのに対し、地域福祉は当時、”社会福祉の新しい考え方“と考えられ、なおかつ地域福祉に関する法体系もないことから、地域福祉実践は社会福祉制度の枠内での実践だけではなく、住民のニーズに対応して新しいサービスも開発する、最もソーシャルワーク実践を行なえる領域だと考えたからである。
その新しいシステムは、地域福祉の理念である地域での自立生活を支援するシステムである以上、地方自治体レベルで、地域の実情に即して創造していくことが求められると考え、筆者は全国の地方自治体で地域福祉に関するシステムづくりを実践的に研究してきた。
と同時に、地域での自立生活を支援するということは、属性分野ごとの単身者に対応する「福祉六法体制」ではなく、問題を抱える単身者は固より、同居している家族全体を考えた対応が求められるし、中には、家族の構成員が複数で、複合的問題を抱えている世帯もある。したがって、地域福祉における新しいサービスやシステムの開発は世帯全体にも対応できる、分野横断的システムでなければならない。
現在進められている「地域共生社会政策」の具現化は、地方自治体の地域状況に即して新しい包括的、重層的支援ができるシステムをどう創るかが課題である。筆者は、その政策の具現化の要は、現在全国に約4800か所設置されている「地域包括支援センター」が分野横断的なワンストップサービスの拠点機関として、かつ包括的、重層的支援の要の役割を担えるかが大きな課題だと考えている。
地域包括支援センターは、2006年に介護保険制度が改正され、位置づけられた。市町村を複数の日常生活圏域に分け、その圏域毎に地域包括支援センターを設置し、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員を配置するシステムは画期的な取り組みであり、地域包括ケアの新たな一歩を踏み出したと位置づけても過言ではないと考えている。
筆者は、この地域包括支援センターのシステム的モデルは、長野県茅野市が2000年4月から発足させた茅野市保健福祉サービスセンターシステムであると考えている。
目黒区では、1990年に法定化された老人保健福祉計画を2017年に社会福祉法改正により“上位計画”とされた地域福祉計画と同じ考え方で、障害児者も子育て問題も視野に入れて、住民の地域での自立生活を分野横断的に支援する地域福祉計画として位置づけ、住民参加で策定した。当時目黒区は人口26万5000人で、保健所が2つ、福祉事務所が1か所あった。それを再編・改組するために、区内を5地区に分けて、各圏域に保健福祉サービス事務所を設置し、住民の身近なところ(福祉アクセシビリティ)で、保健と社会福祉が統合的に相談、支援できるシステムとした。
また、1994年には、東京都児童福祉審議会において、筆者は専門部会長として東京都内の区市町村における“子育て支援のシステム”創りを提言した。子育て分野は家庭の私事性が強く意識され、高齢者分野、障碍者分野に比して地域での自立生活を支援する在宅福祉サービスという考え方が弱かった。実態は、問題を抱える児童、家庭への“点と点”でつながる支援システムで、療育、法的措置、保護を中心としたサービスシステムで、その代表が児童相談所という位置づけであった。
しかしながら、家庭や地域での子育て能力が脆弱化している状況を踏まえると区市町村レベルで、保育所だけでない、多様な子育て支援のサービス開発と相談・支援体制を構築することが重要であると考えていた。そこで、子育て支援が必要な家庭の近くである東京都の全区市町村に子ども・子育て問題の総合的相談、支援システムとして「こども家庭支援センター」を構想した。その「子ども家庭支援センター」には、社会福祉士、保健師、保育士を配置し、チームで相談・支援の対応をすることを求めた。この「こども家庭支援センター」は急速に整備され、都内全区市町村に58か所設置された。
「地域包括支援センター」の原型は、これらの自治体における新しいシステムづくりの実践を踏まえ、長野県茅野市の地域福祉計画づくりの中で、提案し実現できた。
茅野市の地域福祉計画は、当時の諏訪中央病院の鎌田實院長や医師会の土橋善蔵会長を中心に、100名を超える委員が手弁当で、足掛け3年間に延べ400回を超える委員会を開催し取りまとめられた『福祉21ビーナスプラン』に盛り込まれ実現する。
茅野市は当時人口5万7000人の人口で、中学校が9校ある広大な市域であるが、その市内を4つの在宅福祉サービス地区(現在の日常生活圏域)に分け、その圏域ごとに保健福祉サービスセンターを設置し、社会福祉行政職員、市保健師、市社会福祉協議会職員を配置し、チームで仕事をする、世代横断的なワンストップの総合相談体制と地域へ出張っての問題発見機能を統合的に展開するシステムにした。筆者は、茅野市福祉行政アドバイバーとして関り、目黒区や東京都の実践を踏まえて、このシステムづくりをした。
これからの社会福祉は、出されてきた国の政策に敏感に対応するだけでなく、地方自治体の属性に即して、地方自治体が新しい地域自立生活支援のサービスやシステムを開発していく時代である。

#1、筆者が、各自治体でどのような取り組みをしたかは、『コミュニティソーシャルワーク』(中央法規で販売)第26号、27号で論述しているので参照願いたい。
#2、茅野市のシステムづくりは『福祉21ビーナスプランの挑戦』(中央法規、2003年)を参照願いたい。

Ⅲ 渡邊 琢「言葉を失うとき―相模原障害者殺傷事件から二年目に考えること―」 雑誌『世界』2018年8月号、岩波書店

『障害者の傷、介護者の痛み』(2018年、青土社)所収

※大熊由紀子先生の「ゆきのえにしメール」(7月22日付け)からの情報

(2021年8月15日記)

オペレーションの問題

12日新たに1万8888人が確認された
2日連続で過去最多を更新した
新規感染者が1万8000人を超えたのは初
コロナの爆発的感染拡大に打つ手なし

オペレーションを共有できないオペレーションの問題なので
危機管理能力欠如のまま出たとこ勝負をしてきた話である
コロナ対策のオペレーションの問題なので
安心安全な楽観論が崩れただけの話である
病床確保のオペレーションの問題なので
自宅で急変しても覚悟を強いる話である
コロナワクチンのオペレーションの問題なので
供給沈滞してもコロナに打ち勝つとする話である
政策担当のオペレーションの問題なので
その過失の責めは国民が負うべき話である
不要不急のオペレーションの問題なので
それは自己責任を求められる話である
飲食店のオペレーションの問題なので
すでに科学的エビデンスなき対策の話である
いまさら帰省のオペレーションの問題なので
強い警戒感をもって行動させる話である
緊急事態宣言のオペレーションの問題なので
自治体に資金を回して積極的に動かす話である
世論調査のオペレーションの問題なので
それでメディアが政局を煽る話である
東京五輪のSDGsのオペレーションの問題なので
IOCがTOKYOに責任を押しつける話である
パラオリ開催のオペレーションの問題なので
IOCから勲章もらった二人の話である

稚拙なオペレーションの問題はこれからも災害対策で続けられる
国会は閉会審議で停滞しガンガン感染嵐吹き荒れて首相は身を潜める
内地は低気圧の前線停滞しバシバシ暴風雨で暮らしが叩かれている
ニッポンは無能な閣僚官僚が停滞しバンバン世間の風雨でしばかれる

※オペレーション:ビジネス:一般的に、業務の目標を達成するため、物事を運営・推進していく手順を定めること。またそれに沿って実施していく一連の作業、実務のことをいう。いくら優れたビジョンを持っていても、それを実現するための具体的なプロセスであるオペレーションがしっかりしていないと、企業経営はスムーズに行えない。そのため、企業は、経営企画部門が全社のオペレーションを企画したり、コンサルティングファームにオペレーションの設計を依頼したり、IT技術を活用したりと、様々な施策に取り組んでいる。(「ビジネス用語集」by Elite Network Co,Ltd)

〔2021年8月12日書き下ろし。格好つけた横文字使いさも分かった風な口をきく。大事な事を伝えられない後ろめたさとおごりが悪臭を放っているようだ〕

文献紹介

「市民福祉教育」の実践・研究のための文献紹介
  Literature introduction for the practice and research of “citizen welfare education”


(1)神戸「福祉教育」研究会 伊藤隆二編『「福祉教育」の研究』柏樹社、1975年12月
(2)伊藤隆二・上田薫・和田重正編著『福祉の思想・入門講座 ③福祉の教育』柏樹社、1976年4月
(3)大橋謙策『地域福祉の展開と福祉教育』全国社会福祉協議会、1986年9月
(4)一番ヶ瀬康子・小川利夫・木谷宜弘・大橋謙策編著『福祉教育の理論と展開』(シリーズ福祉教育第1巻)光生館、1987年9月
(5)伊藤隆二『福祉の教育をすすめるために』(伊藤隆二教育著作集5)福村出版、1996年1月
(6)村上尚三郎・阪野貢・原田正樹編著『福祉教育論―「共に生きる力」を育む教育実践の創造―』北大路書房、1998年4月
(7)大橋謙策編集代表 田村真広・辻浩・原田正樹編『福祉科指導法入門』中央法規出版、2002年4月
(8)硯川眞旬・佐藤豊道・柿本誠編著『福祉教科教育法』ミネルヴァ書房、2002年5月
(9)地域を基盤とした福祉教育・学習活動の推進方策に関する研究開発委員会編『福祉教育実践ハンドブック』全国社会福祉協議会、2003年1月
(10)辻浩『住民参加型福祉と生涯学習―福祉のまちづくりへの主体形成を求めて―』ミネルヴァ書房、2003年12月
(11)阪野貢監修 新崎国広・立石宏昭編著『福祉教育のすすめ―理論・歴史・実践―』ミネルヴァ書房、2006年4月
(12)阪野貢『戦後初期福祉教育実践史の研究』角川学芸出版、2006年4月
(13)阪野貢・木下康彦編著『福祉科教育法の構築と展開』角川学芸出版、2007年9月
(14)長沼豊『新しいボランティア学習の創造』ミネルヴァ書房、2008年12月
(15)阪野貢『市民福祉教育の探究―歴史・理論・実践―』(株)みらい、2009年10月
(16)原田正樹『共に生きること 共に学びあうこと―福祉教育が大切にしてきたメッセージ―』大学図書出版、2009年11月
(17)阪野貢『市民福祉教育をめぐる断章―過去との対話―』大学図書出版、2011年1月
(18)松本すみ子『メンタルヘルスと福祉教育』大学図書出版、2012年11月
(19)上野谷加代子・原田正樹監修 日本福祉教育・ボランティア学習学会協力『新 福祉教育実践ハンドブック』全国社会福祉協議会、2014年3月
(20)原田正樹『地域福祉の基盤づくり―推進主体の形成―』中央法規、2014年10月
(21)日本福祉教育・ボランティア学習学会20周年記念リーディングス編集委員会編『福祉教育・ボランティア学習の新機軸―学際性と変革性―』大学図書出版、2014年10月
(22)清水将一『ボランティアと福祉教育研究』風詠社、2021年6月
(23)原田正樹『福祉教育の理論と実践方法~共に生きる力を育むために~』(福祉教育推進員養成研修テキスト)全国社会福祉協議会、2022年3月
(24)大橋謙策『地域福祉とは何か―哲学・理念・システムとコミュニティソーシャルワーク―』中央法規、2022年4月
(25)松本すみ子『身近な社会課題に挑むメンタルヘルス福祉教育』大学図書出版、2023年3月
(26)日本福祉教育・ボランティア学習学会30周年記念出版編集委員会編『研究編 究める! 福祉教育・ボランティア学習の課題』大学図書出版、2024年11月
(27)日本福祉教育・ボランティア学習学会30周年記念出版編集委員会編『実践編 拡がる! ふくしの学び』大学図書出版、2024年11月


君臨した者の教訓

俺以上の能力は決してあってはならない
俺を超える野心を抱いてはならない
俺より人気があれば先に叩かなければならない
俺より力があれば徹底して奪わなければならない
俺より弁が立つのは口先だけと思わせるのがいい
俺は嘘が上手かったが余計なことは言わぬがいい
俺が任じたバカの不始末は遺憾と言うだけでいい
俺の身代わりは命じたままに動けばいい
俺を庇(かば)った功績は裏で餌を与えれば済む
俺のやり方に不服があれば大枚出して選挙で落とす
俺を慕ってくる票は桜を見せるだけで事足りる
俺の知的劣等感は専門家を使いこなして解消する
俺を買って支援する爺さんを使いこなすのがコツだ
俺が俺がで突っ走るしか権力の道はない
俺への批判は無視して都合のいい情報だけで勝負すれ
俺の言うこと聞かない者は非国民だと切り捨てるといい
俺が残した五輪のレガシーづくりはよくやった

NHKの世論調査!
支持率29% 不支持率52%
俺の予想よりもずいぶん早くに末期症状が出ちまった
まあ野党の支持率伸びない分だけ選挙は楽勝
勝てば官軍負ければ降りるだけのこと
その時は俺の出番になるから心配無用
そう心得て恩をしっかり返すといい

〔2021年8月12日書き下ろし。内閣はもう何を言ってもやっても信用がないだけにNHKの世論調査はいまを実直に反映する。次は誰か〕

縄跳びした

スポーツ店で跳び縄を買った
ずっと欲しかった
でもいつも忘れた
4ヶ月もかかって手に入れた

長さを調整して庭に出た
運動シューズに履き替えた
跳べない
雑草と段差で縄が引っかかる
少しよけて跳ぶ
跳べない
ベランダから渡した物干し竿が邪魔をする
鎌を出して草を刈り段差をなくした

環境は整った
これで跳べるはずだ
跳べない
なんと跳べないのだ
30数年ぶりの縄跳び
こんなはずはないと何度もトライした
でも跳べない
運動能力の衰えを突きつけられた

めげずにトライした
1回跳べた
感覚を取り戻せばいけると勝手に思った
何度やっても数回しか跳べない
感覚が戻ってないと勝手に思った
10回飛べた 
なぜか嬉しくなった
20回にチャレンジした
調子がよかったのか46回を数えた
さらに息が上がった
その後は続かなかった
最後に20回跳べたらやめようと決めた
汗が全身から噴き出しまとわりついた
運動をする心地よさが不快感を一掃した

25回を数えて なぜかホッとした
トータルで100回も跳んだろうか
昼間の32度の余熱を帯びた夕方の風にあたりながら
庭はささやかなトライアル・ゾーンとなった

〔2021年8月7日書き下ろし。71歳が縄跳びをしただけのこと。無心になって汗をかいたことが一番か。いや無意識に五輪に影響されていたのだろう〕